『灯せ』11/13(土)・14(日)の上映後、安楽涼監督とDEGさんの舞台挨拶を開催しました。映画、演劇、音楽—緊急事態宣言下を生きる表現者たちを描いた24分の本作。予定し準備していた作品のクランクイン2週間前に、緊急事態宣言の発令によりスポンサーから中止を言い渡されたという安楽監督自身の体験から始まりました。その夜に脚本を書き上げ、刹那的な衝動ではないことを確かめるためにしばらく置いてから撮影に挑んだそうです。DEGさんもライブができない状況が続き、安楽さんと一緒に進めていた企画も潰れたりする中、旧知のライブハウスが閉店することになったと言います。訪ねるとたくさんの人がスマホで写真を撮っていて、「写真を撮ることを責めるつもりはまったくなくて、でも自分はそれをしてしまうと“受け入れてしまう”ことになると感じてできなくて」。ふたりとも口を開けば「しょうがない」と言う回数が増えており、「“しょうがない”で済ませてていいのか？」と何度も話したそうです。本作で円井わんさんは、中止になってしまった舞台を諦めない俳優を演じます。「ひとつの作品が中止になって、それを自分は受け入れてしまって。円井さんは“本当はこうなりたかった自分”として描きました」と安楽監督。表現に関わる人たちのこの2年間の胸に秘めた叫びを映像にしたような映画です。これを観て感じた苦しさを、忘れずにいたいと思います。