当館について
『ブレッド・アンド・ローズ』(ケン・ローチ)
現代の社会には、そしてもちろん神戸の街にも、今ではパンだけではなく、装い、味わい、心を躍らせる多くの物やサービスが溢れています。 しかし、はたしてそういったものだけが、私たちにとってのバラ、生活の潤いなのでしょうか?
いつの頃からか、私たちに形のない潤いを与えてくれる空間、街の小さな書店・古書店、画廊、寄席、映画館など、立ち寄って生活の喜びや哀しみを見つめ直せるような場所がなくなってきました。 そして、映画を取り巻く状況もここ数年で大きく変わりました。
街角や商店街には必ずあった映画館が次々と姿を消し、テレビで宣伝しない映画は上映の機会をなくしています。 世界中の優れた芸術作品の上映数は減り、映画芸術の過疎化が進んでいます。そういった利益至上経済の論理により、土地と文化をつなぐ映画館がどんどん少なくなっています。
淀川長治氏が尊敬したチャップリンが来日した神戸港。そのシンボルであるポートタワーの勇姿を臨む元町商店街。 この由緒ある地に、私たちは「映画芸術の存続と継承」、そして「地域の活性化」を目指し、その土地に密着した文化発信の場所として、映画文化を取り戻すべく、ミニシアター『元町映画館』を設立しようとするものです。
デジタル作品や、ハリウッド映画のCGや3D映画も新しい「映画」の形態です。 しかし、総てがそうなるわけではありません。さらに、それを拒んで古い物ばかりに固執するのも、時代を見据えていないと思います。
神戸市内の地域密着型劇場数の減少のため、優れた、あるいは社会的に注目を集める新作映画であっても、神戸での公開が大きく遅れたり、時間や期間が極めて限定された公開にとどまったり、上映すらされなかったりする作品が少なくありません。
「元町映画館」は近隣の映画館や上映団体と協力しながら、神戸全域における新作公開の状況を改善するために努力します。 さらに、収益性に乏しく商業上映が困難とされるドキュメンタリー映画や新興諸国、新進作家の作品の公開にも努めます。
「元町映画館」は愛好家の映画館として、自分が観客として鑑賞したいクオリティーの作品を上映し、必ずしも常時ロードショー館として新作映画のみを上映する事は考えていません。
お集りの観客の皆さんのお声やアイデアをうかがいながら、優れた旧作やコレクションであって神戸で一般公開の機会の無かった作品たちをも積極的に扱っていきたいと考えています。 さらに映画上映だけでなく、学習会やイベントなども企画していこうと考えています。 神戸とその周辺には、映像や芸術系の学校も多く、若い作家の方々の作品の公開発表の場としても、コラボレートしたいと考えております。地域に密着した新しい映画館「元町映画館」をよろしくお願い申し上げます。 (2009年11月15日)
概要
社名 | 一般社団法人 元町映画館 |
---|---|
所在地 | 〒650-0022 神戸市中央区元町通4丁目1-12 |
メールアドレス | info@motoei.com |
座席数 | 66席+1(車椅子) |
TEL & FAX | 078-366-2636 |