ピアノの生演奏付きでサイレント映画を楽しむ「SILENT FILM LIVE」、2022年春の企画は“女性映画”を4作品3プログラムで特集しました。『臨時雇の娘』は、名コメディエンヌ、メーベル・ノーマンドの傑作です。楽士の鳥飼さんは2017年の京都国際映画祭で初めて本作を鑑賞され、あまりの面白さにすぐに夢中になり海外オークションでフィルムも入手されたほど。スラップスティックあり、ロマンスあり、ほろりとさせられる家族愛あり、ハラハラドキドキのサスペンスあり…と盛りだくさんの内容で、だからこそ鳥飼さんの演奏も実に多彩！山場のシーンでの疾走感も素晴らしく、演奏にぐいぐいと引っ張られスクリーンから目が離せなくなります。美人女優とはちょっと趣が異なりますが、表情豊かなメーベル・ノーマンドはファニーな魅力に溢れています。サイレント映画のコメディというとチャップリン、キートン、ロイドら三代喜劇王など、男性コメディアンの印象が強いのですが、コメディエンヌの活躍ももっと知られてほしいと思いました。