沖縄の知られざる歴史であり一人の魚屋の女将が起こした「サンマ裁判」から沖縄の復帰運動、そして沖縄の歴史を紐解いた『サンマデモクラシー』初日の9/4(土)の上映後、山里孫存監督によるリモート舞台挨拶を開催しました。最初は旧友のFacebookの投稿で「サンマ裁判」の存在を知ったという山里監督。沖縄の人でも”知る人ぞ知る”史実だった「サンマ裁判」に興味を持ちリサーチを続けるうちにまずはテレビの企画として『サンマデモクラシー』が制作されました（山里監督は現役のテレビマン）。舞台挨拶中盤では劇中に登場するキャラウェイ高等弁務官の話題に。先日、菅総理が辞任の意向を表明しましたが、本作に翁長前沖縄知事が菅（当時）官房長官に「キャラウェイと重なる」と発言したシーンがあります。山里監督曰く、映画の中では悪役というか”ダースベイダー”のような役割としてキャラウェイを描いたが、キャラウェイもキャラウェイなりに沖縄のことを考えていて、沖縄の南大東島には「恩人」として今もキャラウェイの銅像があるそうです。その部分を本作の構成上、映画から落とした部分であったと話されました。「若い人にもたくさん見てもらいたい」という山里監督の言葉通り、魚屋の女将ウシおばあが起こした「サンマ裁判」がやがて沖縄という土地を政治的に動かす大きなうねりを生み出す様をポップでキャッチーに描いている本作。「民主主義」という言葉の意味を改めて考えさせてくれる快作です！