映画研究者の中村紀彦さんをファシリテーターに、映画を通して“開かれた対話の場”をつくりだすことを目指す企画〈元町映画館オープンダイアローグ〉。4/16(日)に#03【映画『浦安魚市場のこと』から「場」の持つ意味を考える】を開催しました。会場はこうべまちづくり会館4Fにある「まち活拠点 まちラボ」。『浦安魚市場のこと』監督の歌川逹人さんをゲストにお迎えし、まずは自己紹介と〈思い出のお店〉をそれぞれ話しアイスブレイク、まちラボで飲める「アップル」「マスコット」などの“地ジュース”やコーヒーを飲みながら和やかな雰囲気でスタートしました。
コロナ下で映画館が閉まったことがショックだったという元町映画館の石田は、長く続いたコロナ下を経て、本作にも描かれる場所の持つ意味を共に語りたかったと企画の意図を明かしました。歌川さんが現在活動拠点にしている豊岡市の状況と対比しながら、街のスケールに合わせた施策やコミュニティのあり方、また人・モノ・場所がうまく循環するようなアーカイヴの形についても議論が深まりました。また多様なコミュニティや、多様な性格の街があるからこそ、そこにいる人たちの内面が「整う」と、浦安や新浦安の例を挙げながらの話もあり、まちラボ今地さんによるグラフィックレコーディングの紙を付け足すほど白熱した本日のオープン・ダイアログ。中村さんからは行政のできること、できないことや目指すべき役割のお話もあり、最後に、「市場という場所という実存が先立つことが大事」と歌川さんの言葉で締めくくりました。改めて、場所や街をさまざまな文脈から見つめ直す時間となったのではないでしょうか。
漁師町、浦安の歴史やそこで切磋琢磨してきた魚市場で営んできた人たちの日々を見つめる『浦安魚市場のこと』は4月21日まで上映中!