『カナルタ 螺旋状の夢』11/27(土)上映後、太田光海監督と小笠原博毅さん（神戸大学大学院国際文化学研究科教授）のトークを開催しました。太田監督は神戸大学小笠原ゼミのご出身。小笠原さんの元で領域横断的なカルチュラル・スタディーズを学んでいた太田監督が、どのようにして人類学に進み、映像人類学を修めるに至ったか、その道のりからお話はスタートしました。もともと人類学への志向があったという太田監督。小笠原さんにより人類学はヨーロッパの植民地支配から生まれたものであることを知り、単純な憧れだけではやっていけないと思ったものの、ゼミで批判的な視点を学んだことでそれを活かした上で取り組めるのではないかと思うに至ったと話されます。映像人類学に進んだことについて「言葉だけで表現できないことがある」という太田監督の言葉を拾い、「事物はすべて言葉で言いあらわせる」という作家・清水博子さんの言葉を打ち返し意見を問う小笠原さん。難しいな…とつぶやきつつも本作のシーンを例に挙げしっかりと自論を展開する太田監督と、エキサイティングかつ濃密で熱いトークでした。作品の紹介記事や寄せられたコメントについてある偏りが見られるという小笠原さんの指摘も鋭く、もう一度観返すと別の視点を獲得できそうなお話でした。