『僕とオトウト』11/4(木)上映後、高木佑透監督と本作上映委員会のLindaさん、そしてゲストに神戸大学准教授の稲原美苗さんをお迎えしてのトークを開催しました。進行役のLindaさんは本作を観て、「2種類の“髙木佑透”が作品の中にいると感じた」と話します。髙木監督は弟の壮真さんと幼い頃から今も変わらず仲が良く、そのためか、カメラを向けている時でも、壮真さんがいたずらしようとすると思わずカメラそっちのけで手を出してしまったりと、「【兄】と【監督】を行ったり来たりして、なかなか監督になりきれなかったところはあった」と髙木監督。最初はホームムービーの域を出なかった映像が、髙木監督自身の変化とともに変わっていくところも本作の魅力となっています。劇中では兄の、弟の、「それぞれの幸せ」に言及した発言もあることから、登壇者それぞれの幸せについても話されました。稲原さんの夫はイギリス人で障害者であることから、結婚するときには「なぜそんな苦労をしょいこむのか」と親からの猛反対に遭い「私が思う幸せはなぜ理解されないのか」と感じたそうです。普通教育で育った稲原さんは、時間制限のあるテストや作業など、健常者と同じようにできないことに苦しさを感じていられました。でもご主人と知り合い、「同じようにできなくても良いんだ」と楽になったと話されました。髙木監督は、映画を制作し、上映することで人生でいちばん「人とのつながり」を持てていると話し、今がとても幸せだと締められました。