『あした、授業参観いくから。』2/8(火)の上映後、安田真奈監督と映画ライターの江口由美さんのトークを開催しました。安田監督の作品づくりの原点には森田芳光監督がいると江口さん。アイドルが出ている映画やSF大作など、メジャー映画しか知らなかった安田監督は、あるとき森田監督の『家族ゲーム』を観て衝撃を受けたそうです。「中流家庭に家庭教師が来る、それだけでこんなに個性的で面白い映画が作れるのか！」と驚き、高校では映画部に入り、その後大学の映研でご自身の作品づくりを始めたと話されます。その当時から、社会的な事件や派手なアクションなどではなく、会えないと思っていた人に再会したり、ある人との出会いで自分が少し変わったりと、新聞記事にはならないけど自分にとっての大きな出来事を作品にしていきたいと思って作り続けてこられました。劇場デビュー作『幸福のスイッチ』の後は出産、子育てで現場に出ることが難しく脚本の仕事だけを十数年手掛けられましたが、その間に児童虐待についてのドラマを書いたり「“家族”を描きたいという思いが強くあった」と話されます。同じ7つのセリフを5つの異なる家庭で繰り返すという実験的な本作について、「映画の可能性を感じてもらえる作品」と江口さんは若い人にも観てほしいと呼びかけられました。