SILENT FILM LIVE【長編ウィーク】、9/22(水)は『オペラの怪人』を鳥飼りょうさんのピアノ生演奏付きで上映しました。劇団四季のミュージカルでも有名なガストン・ルルーの小説を題材とした本作。これは現存する中で最も古い、1925年の映画です。そして長編ウィークで使用しているアップライトピアノの横には電子ピアノも。鳥飼さん自身初めてだという、2台使いのスペシャルセット!劇中で怪人が弾くオルガンの音を電子ピアノで弾かれました。オペラ座の地下に住む怪人が美しい歌姫クリスティーヌに恋をし、彼女の愛を手に入れようとするストーリーはとてもドラマチックなのですが、“何かが起きそうな予感”を抱かせるシーンではリズムを少しずらした静かな音の連続で緊張感を高め、クライマックスで一気にボルテージを上げる演奏がより悲劇を際立たせていました。「登場人物誰もがちょっとずつ悪い部分を持っているリアリティが魅力。ほかのサイレント作品に比べると、現代の映画を観る感覚に近いのでは」と鳥飼さん。確かに、怪人が憧れを抱き「純真そのもの」と賛美するクリスティーヌは、どう見てもしたたかな女でした(個人の感想です)。だからこそそれに縋ろうとした怪人の悲哀が浮き彫りになります。舞踏会シーンでの二色テクニカラーやフィルムの着色、手描きの彩色など、当時のカラー技術が詰め込まれているのも見所でした。