「寡黙にして雄弁」と評されるソンタルジャ監督によるチベット映画『巡礼の約束』の公開を記念して、須磨寺の副住職で、全国的な法話イベント「H-1グランプリ」の実行委員長をされるなど、熱心な布教活動をされている小池陽人さんをお招きしました。コロナウイルスの感染防止に配慮して、換気を十分にとりつつ、マスクをお持ちでない方には配布しての開催となりました。
四国八十八ヶ所巡礼の体験など、自らの僧侶としてのご経験に則したお話をたくさんいただきました。本作に色濃く反映されているチベット仏教の「祈り」のかたちと、仏壇のあり方が象徴する日本の地縁的な人間関係とを結び付けつつ、かつて日本にも強固に根付いていたはずの「祈り」の生活が薄れつつあることに一抹の寂しさを滲まされていたのが印象的でした。