「夏休みの映画館2022」2日目の7/31(月)、活動写真弁士の大森くみこさんとピアノの天宮遥さんによるサイレント映画活弁付き上映『月世界旅行』『荒武者キートン』を上映しました。マナーCMがわりに映画の父、・W・グリフィスの『迷惑帽子』でプログラムが始まる前から観客の心を掴んだ大森さん。いくつものおじさんの声を演じ分け、時事ネタも加えたジョルジュ・メリエスの『月世界旅行』、1800年代前半のアメリカの様子を実に正確に再現した『荒武者キートン』をワクワクドキドキさせる見事な活弁で堪能させてくれました。アップライトピアノで伴奏してくださった雨宮さんの映画に寄り添う音色もすばらしく、笑いの溢れる上映会になりました。
上映後の活弁体験ワークショップでは高校生から小学生、そして大人と6名の方が参加してくださいました。まず声優と活動写真弁士の違いについて大森さんが質問すると正解が続々!活動写真弁士は自分で台本を書き、自分で考えたことをセリフや語りに取り入れるのが大きな違いで、一人で何役もこなします。次に『月世界旅行』と『荒武者キートン』より台本を用意した3分ほどのシーンを大森さんが実演後、参加者が自分で選んだシーンを個人練習。アドリブを効かせるところもあり、声に出して練習する人、一生懸命台本に書き込んでいる人、姉妹でチャレンジする人と、短い練習時間ながら熱心に取り組んでくださいました。発表では天宮さんのピアノ伴奏とともに、スクリーンに映し出されるシーンを見ながら実際に活弁を行いました。上映後も残ってくださったお客さまの前で、マイクを持ってそれぞれのキャラクターを表現し、講師の大森さんも目を見張るほど!自分の解釈でキャラクターに命を吹き込む活弁を体験し、大森さんが上映前に語っておられた「自分を作っていく豊かな時間」になったのではないでしょうか。