「イスラーム映画祭8」初日の4/29(土)『ファーティマの詩』上映後、「郊外(バンリュー)と移民―映画から読み解くフランスの移民事情」と題して、同志社大学社会学部教授の森千香子さんのトークを開催しました。アルジェリア移民の女性と2人の娘の日常を描いた本作は、2016年のセザール賞を受賞。「同時多発テロ直後でイスラーム社会への視線が厳しくなっていたフランスだからこそ、ムスリムの素朴な日常を描いた作品が求められていたのでは」と森さん。素朴であることこそが特別な意味を持つ素晴らしい作品だと評されます。移民にとっては重要なフランスの「国籍法」(ルーツを問われたりすることもあるアメリカなどとの違いなど)についてや、実はムスリム大国であるフランスの背景、植民地支配の歴史などを話されました。それらを踏まえ、フランスにとっての「郊外(バンリュー)」とは何か、なぜ移民は団地住まいが多いのかなどを解説してくださいました。さらに「郊外(バンリュー)映画への誘い」として、おすすめ映画を5本ご紹介くださいました。機会があればぜひご覧ください。
①『彼女について私が知っている二、三の事柄』(ジャン=リュック・ゴダール監督)
②『憎しみ』(マチュー・カソヴィッツ監督)
③『ウェッシュ、ウェッシュ、何が起こっているの?』(ラバ・アメール・ザイメッシュ監督)
④『身をかわして』(アブデラティフ・ケシシュ監督)
⑤『レ・ミゼラブル』(ラジ・リ監督)