『いまはむかし 父・ジャワ・幻のフィルム』2/5(土)の上映後、伊勢真一監督にお越しいただき舞台挨拶を開催しました。伊勢監督の父親で記録映画の編集マンであった伊勢長之助さんが戦時中にインドネシア・ジャワで国策映画を制作していた、その足跡を追ったドキュメンタリーです。当時のフィルムは失われていたとされていたのが、オランダで見つかったというニュースが飛び込んできたのはもう30数年前のことでした。とはいえインドネシアやオランダに取材に飛ぶことは容易ではなく（主に資金面で）、「いつか…」と考えているうちに時間が経ってしまったそう。やがて伊勢監督の息子さんが映像の世界でカメラマンとして活躍するように。「身内なら安くあげられると思って取材を再開した」と話されますが、カメラマンを息子さん、ナレーションを娘さんが担当されることにより、本作は思いがけず伊勢家の姿も映し出すことになりました。ドイツの映画祭に招待されたのをチャンスとばかりに映画祭の合間にオランダロケを敢行した（思いの外移動は時間がかかったそう）なんてエピソードも。オランダの映画祭での日本の戦争責任についての質問や、勇気ある作品という感想、逆に私的な目線で語ることへの批判など、観た方から受けたいろんな反応についてもお話しいただきました。