「現代アートハウス入門ネオクラシックをめぐる七夜vol.2」第4夜の12/14(火)はダイレクトシネマのパイオニア、メイズルス兄弟の傑作『セールスマン』が日本初公開で上映されました。
上映後の解説講師は、「観察映画」を提唱する映画作家の想田和弘さん。「セールスマンといっても売るものが聖書だから面白いんだよね」と想田さん。というのも、キリスト教の価値観や倫理観を無視してビジネスの商品として売り出されてしまう資本主義の残酷さや荒々しさが見えるからだとか。
そもそもダイレクトシネマとは何かについても歴史や撮影の裏話などを交えながら解説してくださいました。
後半は、全国の劇場から集められた質問にも回答。「ドキュメンタリーには思えない!」という多数寄せられた感想には、「撮影方法はドキュメンタリーの手法だが、編集がフィクションの文法で、編集でかなりストーリー的に構築されている」と映画の手法の視点からお話しされました。
最後に「フレデリック・ワイズマン監督とメイズルス兄弟の違いは?」という質問に、取り上げる舞台や焦点を当てる対象、映画の作り方など様々な視点から比較し、解説してくださいました。