特集企画「映画で旅する世界」10/24(日)『パチャママの贈りもの』上映後、松下俊文監督にお越しいただき、舞台挨拶を開催しました。なんとこの日は松下監督のお誕生日でもあり、お客さまから温かい拍手も贈られました。ニューヨークでテレビ番組の制作をしていた時に9.11の同時多発テロを目の当たりにされ、日本人の安否などの報道に携わった松下監督。その後に訪れたボリビアで、ウユニ塩湖の一面真っ白な世界に目を奪われ、風がすうっと身体を通り抜けていくのを感じ、「ここで映画を撮るんだ」と強く思ったと話されます。ただただ毎日塩を切り出す人々の暮らしと労働を撮ろうと考えたけれど、なかなか“映画”にならない。偶然見かけたロバのキャラバンから着想し、塩のキャラバンというドラマを入れ込み作り上げました。出演しているのは現地の人々で、みんな喜んで映画に協力してくれたそうです。彼らの暮らしが自然に映っているので、ドキュメンタリーのような印象も受けます。「少年時代にはそこにしかないきらめきがある」と松下監督。それを描くべく少年コンドリを主人公にしますが、2年の撮影期間でどんどん成長するので困ったと話されました。キャラバンで大変だったことやリャマのこと、少年たちがいつもポケットに忍ばせているケーナ（笛）のことなど、撮影秘話もいろいろとお話しいただきました。「観た方それぞれが、自分にとっての“パチャママの贈りもの”って何だろうと考えてもらえたら嬉しい。僕にとっては、この年まで生きてることかな」と締め括られました。