サイレント映画を生演奏で愉しむ「SILENT FILM LIVE」の第8回を、3/20(金)に開催しました。楽士の鳥飼りょうさんが今回セレクトしてくださったのは、ドイツ出身のF.W.ムルナウ監督渡米第1作で、第1回米アカデミー賞で芸術作品賞を受賞した不朽の傑作『サンライズ』です。浮気相手にそそのかされ妻を殺そうとした夫と純真な妻が愛を取り戻す、という作品紹介からメロドラマを想像していたのですが、コメディ要素もありサスペンス的でもあり、ひとくちに括れない多面性を持つ作品でした。作品同様演奏も、美しかったり不穏だったり軽やかだったりドキッとするような鋭さがあったりと、これまで以上に多彩なトーンだったように感じます。中でも夫が都会の妄想をする場面では、都会の楽しさを表す高音の金属的な軽快なメロディと、悪魔の足音のようにズーンと重く響く低音を同時に弾いていて驚くと同時にその表現に感動しました。場面のイメージを限定してしまうのではなく、観る者の想像力の翼をより広げてくれるような体験です!