ウルリケ・オッティンガー ベルリン三部作『フリーク・オルランド』9/3(日)の上映終了後、渋谷哲也さんによるトークイベントを開催しました。日本では今まで紹介される機会の少なかったウルリケ・オッティンガー監督ですが、ドイツ、ヨーロッパでは名前が知られておりニュージャーマンシネマと呼ばれたファスビンダー、ヴェンダース、ヘルツォークなどと並んで紹介される作家です。ドイツでは70年代から女性の映画監督が数多く活躍していたがオッティンガーのような「ファンタジーで魅せる」タイプの作家は例外的であったそうです。70年代当時「女性を見世物にしている眼差しの映画」が数多く批判に晒され、オッティンガーの作品もその中に入ることもあったそう。オッティンガーは自身で撮影も行い、自分自身がカメラを通して女性見つめる、女性が女性を撮るタイプの作家であることから「彼女の映画を普通に受け止めることのできる時代になった」と渋谷さんはお話しされました。画家を目指し、写真に手を染め、パフォーマンスアートも行い、その後映画に行き着いたオッティンガーの経歴やファンタジーのイメージの流れの中にドイツの戦争・歴史の過去がある種批判的に散りばめられているオッティンガーの作風についても余す所なく解説いただきました。