〈池谷薫ドキュメンタリー塾〉復活記念、池谷薫監督特集がスタート!5/11『延安の娘』(2002)上映後、池谷監督の舞台挨拶を開催しました。
登壇後いきなり池谷監督は、「お父さん、(上半身)裸ででてきて、びっくりしたでしょ?」とドキュメンタリー塾さながらのトークを展開。文化大革命で下放した学生たちは恋愛が許されず、見つかり次第厳しい処罰が下された中、その両親から生まれ、延安で養父母に育てられてきた海霞(ハイシア)が、ついに北京で実父と面会を果たしたときの舞台裏を明かしました。海霞の誕生を口にしてはいけなかった時代を過ごしてきた実父や彼の同級生たちが、文化大革命の過去やそのトラウマに向き合わざるを得なくなったことで、海霞が“パンドラの箱を開ける鍵のような存在”だったと池谷さん。なんとか北京行きが許され、旅立つときの海霞の言葉「気にかけてくれる人がほしい」が、本作全体のキーワードになっていると語られました。
さらに池谷監督は、一番描きたかったという、海霞の実父探しに奔走した同級生(紅衛兵のリーダー時代に恋愛をしたがために、相手の少女は中絶させられ、自身は反革命罪が宣告された黄玉嶺)について言及。当時言われた「お前は人間か、畜生か」という言葉に向き合い生きてきた玉嶺(ユーリン)の独白は、池谷監督が以降描き続けている「人間の尊厳とは何か?」の原点でもあります。
5/17より開催の「池谷薫ドキュメンタリー塾」第1回では、この『延安の娘』を取り上げ、印象的な映像クリップを見せながら徹底解説します。最後に池谷監督は「カメラの後ろで起きていることを全てお話しするので、もっとドキュメンタリーを面白く見たいという人にぜひ受講してほしい」と力を込めました。
「池谷薫ドキュメンタリー塾」お申し込み(学生料金あり)