『アリランラプソディ ～海を越えたハルモニたち～』4/6(土)・7(日)の上映後、金聖雄監督の舞台挨拶を開催しました。4/6には、ハルモニたちが集う「ふれあい館」で日本語の読み書きのお手伝いをする鈴木宏子さんもご登壇くださいました。明るくたくましいハルモニたちと過ごす時間に励まされているという鈴木さん。ご出身校の名簿を見ても在日韓国・朝鮮人とわかる名前は見当たらず、本当の名前を名乗ることができずにいた同級生の存在に気付かずにきっと傷つけていたことを謝りたいと涙ながらに話されました。
昨年4月に完成した本作は、川崎市桜本に住むハルモニたちを映した金監督のデビュー作であり原点でもある『花はんめ』（04）の続編という位置づけになります。母親と同じ世代のハルモニたちが水着を買いに行く場面でのはしゃぎように「胸がキュンとした」と金監督。“すごいシーン”を撮ろうとはせず、ただハルモニたちと時を過ごす中で撮影を続けて完成させました。そこから10年以上を経て、激化するヘイトクライムや戦争に傾きつつある日本がふたたび金監督にハルモニたちにカメラを向けさせました。命がけで海を渡り、生きるために働き詰めてようやく自分の時間を持てたハルモニたちの姿、彼女たちの「生の言葉」を今記録しなければという切実な思いが込められています。映画、音楽、食、美容…日本人が様々な韓国文化を享受するようになる中で、「在日」の歴史がすっぽりと抜けているように感じると金監督は訴えられました。
ハルモニたちを連れて行った東京での舞台挨拶など、愉快なエピソードもたくさん飛び出した、泣けて笑える舞台挨拶でした。