SILENT FILM LIVE【長編ウィーク】、9/23(木)は『散り行く花』を鳥飼りょうさんのピアノ生演奏付きで上映しました。“映画の父”D.W.グリフィス監督ד永遠の少女”リリアン・ギッシュという最強タッグで、美しくも哀しい物語を紡ぎます。リリアン・ギッシュは身長164cmと決して小柄ではなかったと鳥飼さん。スクリーンで観るギッシュは小柄で触れたら壊れそうなほど可憐な少女にしか見えず、彼女の表現力に驚かされます。サイレント期の俳優として表情の演技ももちろんですが、手など身体の表現力も際立って素晴らしいと本作を観て感じました。父親が直接暴力をふるう場面は実はそんなに出てこないのですが、彼女の怯える演技からその恐怖を観客は感じ取り、父親がどんどん恐ろしい人物に見えていきます。グリフィス監督は「映画はここで完成した」と言われる超大作『國民の創生』『イントレランス』を世に送り出すも、予算がかかりすぎる監督だと言われるようになり、「金をかけずとも良い映画は作れる」ということを証明するべく『散り行く花』を制作したというエピソードも紹介されました。鳥飼さんのピアノも作品に合わせて全編静かなトーンで、物語が終わりを迎えたときに初めて、最初から旋律に哀しみが潜んでいたことに気づきました。その哀しみの余韻が今も長く続いているのは音楽の力だと感じました。