『マルリナの明日』初日の2/15(土)上映後、「インドネシア映画の闘う女たち」と題して、京都大学東南アジア地域研究所の准教授・西芳実さんにインドネシア映画の状況と、その中で活躍する女性たちについてお話しいただくトークを開催しました。
現在は年間100本ほどが製作され活気あふれるインドネシア映画。シネコンもミニシアターもあって娯楽映画のみならずアート系作品も上映されている。本作はカンヌにも出品されフランス資本も入っている。インドネシアの多くはイスラム教徒だが、本作の舞台スンバ島はキリスト教の地域。ヒロインの衣装が青のブラウスと赤のスカートになるのは、キリスト教ではマリアのイメージである。出産シーンでは妊婦の衣装も青と赤で、2人のマリアというイメージ。途中で会うトパンという少女と語らい、マルリナが沐浴する場面は洗礼とも見え、トパンは天使のようだ。
闘う映画の系譜として『チュッ・ニャ・ディン』『カルティニ』と言った実在の女性の映画もあれば、文字通りアクションのヒロイン映画もある。『ゴールデン・アームズ』という武闘映画がその代表。多様なインドネシア映画が大阪アジアン映画祭などで紹介されているけど、まだまだ日本では一般公開されていないので機会あればぜひ観てほしい。