『フィールズ・グッド・マン』公開を記念して、Zoomを使用してのオンライントーク【『フィールズ・グッド・マン』からみるアメリカ：トランプ時代といま】を開催しました。現代アメリカ政治外交がご専門の上智大学教授、前嶋和弘さんをゲストにお迎えし、映画から見えるアメリカ社会・政治を多角的に解説していただきました。まず「これは誰にでも起こりうること」と前嶋さん。SNSで簡単に起こり気づけば取り返しのつかない事態に発展しているという現象は、マットとぺぺに限ったことではないと警鐘を鳴らされます。そしてその背景に横たわるアメリカ社会における分断、どんな些細なことでも利用してやろうとする選挙産業（キャンペーン・インダストリー）、そして香港で真逆の意味で希望の象徴となっていたことから、その事象をコントロールはできないということについてお話しされました。掲示板での二次利用についての話の中では、「映画では見えてこないもの」として【アメリカにおける表現の自由】についてもお話しいただき、それが何より重視されるがゆえにヘイトスピーチの規制が難しいというアメリカ社会の問題が浮き彫りになりました。ただ、最後には、この映画ができたことで【ぺぺ＝トランプの“アレ”】だと思っていた人たちに「あれってもともと違うんだってね」という認識が少しずつ広がっているというお話をしていただき、少し救われた気持ちになりました。