『ゲッベルスと私』5/1(日)の上映後、ドイツ映画研究者の渋谷哲也さんによるミニレクチャーを行いました。本作の主人公は105歳のブルムヒルデ・ポムゼル。本作ではコントラストの強いモノクロの映像で構成されていますが、渋谷さんが新聞で見られたインタビュー記事ではカラー写真が掲載されており、少し俯き加減で微笑むポムゼルさんは「とても可愛らしいおばあちゃん」だったそうです。ではなぜ映画ではこのような撮り方、見せ方にしたのか。そこに制作者のどんな意図があるのかというお話をされました。また、クロード・ランズマン監督の『SHOAH ショア』を例に挙げ、そこでは加害者にどのように迫り、語らせようとしていたのか、その手法との違いや対比などについても解説されました。本作は4人の監督がおり、それぞれがポムゼルさんにインタビューをしていますが、インタビュアーの気配は映画からは消されています。そこで語られることはポムゼルさんの【主観】であり、何を強調し、何を軽く流し、何の存在を消しているのか、語り手のその主観を読み解くことが鑑賞者に求めらると話されました。
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