香港映画祭2022『風景 第一部:始まりの終わり』12/11(日)の上映後、香港のリタ・ホイ監督とオンラインで繋ぎ、リモート舞台挨拶を開催しました。本映画祭のキュレーターを務める映画監督のリム・カーワイさんも通訳として参加されました。「こんばんは。ありがとうございます」と日本語でご挨拶くださったリタ監督。舞台挨拶は客席とのQ&A形式で進められました。以前香港に住んでいたというお客さまからの「香港のいろんな風景や住居が登場して胸がいっぱいになった」という言葉にリタ監督は、「この映画でたくさんの香港の“風景”を覚えてもらえたら嬉しい。失われた風景もあり、今は路上撮影も難しく、出会ってもらうことが難しくなっている。風景とは、時代の変化を映し出すもの」と話されました。2011年の香港上海銀行でのオキュパイ(占拠)運動から2014年の雨傘運動までを3時間の群像劇で描く本作。政治活動や言論の統制を強めるため中国が2020年に成立させた【国安法(=中華人民共和国香港特別行政区国家安全維持法)】についても、それがもたらした国民や表現活動の変化に質問が。「弾圧は増えた」とリタ監督。発言力や影響力のある人たちがみな逮捕され、今や忖度する必要もないくらい影響力を持たない人しか残っていないと話されます。ただ、活動の範囲は狭められてもできることを探っているとも。「政治や国ではなく、個人に深くフォーカスするからこそ見えてくる“今”もあるのでは」と話されました。そして「香港でも公開できない映画を観てもらえる機会が何より嬉しい。困難な状況が続くが応援してほしい」と締められました。本映画祭についてリムさんも、「香港ではもちろん公開できず、日本の映画祭でもなかなか取り上げられない作品ばかりをセレクトしている。香港には面白く意義のある映画がたくさんある」と訴えられました。一人でも多くのお客さまに届くことを祈ります。
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