
3月8日の国際女性デーにあわせて元町映画館では「Women’s Film Week 2026」と題し、時代や国、世代を超えた女性たちが描かれた4作品を上映しました。3月8日(日)『テルマ&ルイーズ』上映後には、1003店主奥村千織さん、NINE STORIES主催かとうさおりさんにご登壇いただき、「映画と本 作品の中の女たち」というテーマに沿ってお話しいただきました。
昨年に引き続きの企画となった今回のトークイベント。まずはお二人に『テルマ&ルイーズ』の感想をお伺いしました。かとうさんは「15歳くらいの時に雑誌でこの映画の存在を知って、TSUTAYAで借りて観たのが高校生くらいの時。その当時観たときは痛快でおしゃれで面白いなという印象だったけれど、今改めて観ると深い内容でラストシーンもいろんな解釈ができるなと思いました。」とお話し。続いて奥村さんは「本作はタイトルだけ知っていたもののずっと観ていなくて昨日初めて鑑賞しました。2人がどんどん奔放になっていって、解放されていくというか誰にも縛られない立場でものを考えていくところが面白かった。」とお話し。
『テルマ&ルイーズ』は1991年に公開された映画でありながら、現在もフェミニズム映画やシスターフッド映画のマスターピースと言われることが多い作品です。その中でラストシーンの解釈についてお2人がどのように感じたのかお伺いすると、かとうさんは「否定はしないけれど、個人的にはあのまま2人だけで仲良く暮らしていってほしかった。でも映画としてはこの結末も受け止めるかな。」とお話し。また、奥村さんは「ラスト直前くらいから結末についてもしかしてとは思ったけれど、全肯定ではないにしろこういったラストもありだと思う。」と、それぞれラストシーンについての感想を述べてくださりました。公開から30年ほど経つ中でさまざまな世代に観続けられて、時代性や価値観のアップデートによって新しい見方がされるようにもなってきたのだと実感できる映画であると感じました。
ここからは奥村さん、かとうさんが「映画と本 作品の中の女たち」というテーマにあわせた本を3冊ずつ紹介してくださりました。
まずはかとうさんが『ガールズ・アット・ジ・エッジ』をご紹介。「この本は逃避行ものではあるけれど、登場人物の4人の女の子は職場の同僚なので『テルマ&ルイーズ』のように親友なわけではない。でもお互いに助け合って全員で生き残るんだという思いが伝わってくる。前書きには岡崎京子さんの漫画の言葉が引用されていたり、シルヴィア・プラスの詩が引用されていたりと、前書きも良くておすすめ。」
次に奥村さんが『房思琪の初恋の楽園』をご紹介。13歳の女の子と塾講師の物話。恋なのかグルーミングなのかというテーマがあり、前書きには実話を元にしたフィクションであると記載されている。作者は台湾の若い女性でこの本が刊行された後に自殺している。ものすごく辛い話ではあるけれど、文章がとても美しくて繊細に語られているので文学作品としてもぜひ。」とおすすめしてくださりました。
続いてかとうさんが『帰りに牛乳買ってきて 女ふたり暮らし、ただいま20年目。』をご紹介。「著者のはらだ有彩さんが学生時代のルームメイトと20年一緒に住み続けていることを描いたコミックエッセイ。楽しく愉快な話が多い。でも生活をする中で、女性2人で住んでいることに対して詮索されたり、引っ越しの際に信用性がなかったりと普通に暮らすことの難しさを知ることができる。」とお話してくださりました。
次に奥村さんが『アナアキストの悪戯』をご紹介。「およそ100年ほど前にアナアキストとして生きた伊藤野枝という女性自身の文章が収録されている本。破天荒な人生を送った人で、激しい人生を送ったからこそ文章も激しい。」と伊藤野枝という人物にも興味が湧くようなお話をされました。
最後にかとうさんが『男も女もみんなフェミニストじゃなきゃ』をご紹介。「フェミニズム特集などでよく見かける本ではあるけれど、有名だからこそ意外と手が伸びないこともある。フェミニズムの話をする際に専門用語が多かったりカタカナが多かったりするけれど、この本はそういうのがほぼなくて読みやすい。フェミニズムって難しそうだなと感じている人にも、詳しい人にもおすすめできる。」とフェミニズムへの知識の有無に関わらず手に取りやすい本であるというお話をしてくださりました。
奥村さんは『市井のフェミニストの生を記録する〜Movement is Journey,NOT Arrival〜』をご紹介。「フェミニズムを通して出会った女性たちのインタビュー集。60代〜70代の女性たちが今よりも社会的地位が低かった時代にどうやって活動していったのかを聞いている。次世代のフェミニストたちに渡したいものは?と聞かれた際の、何を学ぶかはその世代の選択であるという押し付けにならないような姿勢に目が開かされる。」とお話しされました。
最後に、奥村さん、かとうさんが行っているブックフェア”WOMEN’S READING MARCH”、そして元町映画館で実施している「Women’s Film Week 2026」について、「来年以降も続いていくものだと思うからこのトークイベントも続いていけたら良い」とお話し。
今回のトークイベントで紹介した本については、以下に記載いたします。紹介された本は1003にて取り扱っているため、気になる本がございましたら是非手にとって読んでみてください。(品切れ等の可能性もございますこと、ご了承いただければ幸いです。)そして、1003では引き続き3月末まで”WOMEN’S READING MARCH”を実施しておりますので足を運んでいただければと思います。
○1003奥村さん推薦
・『房思琪の初恋の楽園』林奕含著/泉京鹿訳 白水社(白水Uブックス)
・『アナアキストの悪戯』伊藤野枝 マヌケ出版社
・『市井のフェミニストの生を記録する〜Movement is Journey,NOT Arrival〜』 フェミ登山部有志+++編
○NINE STORIESかとうさん推薦
・『ガールズ・アット・ジ・エッジ』犬怪寅日子 ハヤカワ文庫JA
・『帰りに牛乳買ってきて 女ふたり暮らし、ただいま20年目。』はらだ有彩 柏書房
・『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ 著 くぼたのぞみ訳 河出書房新社
















