
サイレント映画をピアノ即興演奏で愉しむ「SILENT FILM LIVE」。17回目となる今回は、“夏休み”らしくホラーや恐竜などをラインナップ。2日目には、ユダヤのゴーレム伝説を題材にした『巨人ゴーレム』を上映しました。ユダヤに迫る危機を救うべく、悪魔から教わった呪文を泥人形に与えてゴーレムとして蘇らせます。このゴーレムを演じるのはなんとパウル・ヴェゲナー監督本人!物言わぬゴーレムですが、命令を聞く泥人形だったのが徐々に意志を持つようになる、その変化を表情だけで現しておりこれが素晴らしいのです。そして室内と街の造形も見事!のちの『フランケンシュタイン』や『大魔神』につながる表現も散見され、本当に観ごたえがあります。ラストでゴーレムが門を破壊し少女たちの方へ歩いていくくだりは、くだらない分断を生み出す〈境界〉の破壊者のように見え、胸が熱くなりました。さまざまなことを示唆的に感じられる作品ですが、映画は何も声高に言っておらず、受取手次第というところが傑作たる所以だと感じます。現在の自分たちから、時代も文化もとても距離が遠い作品を上映するときは、その映画の中で描かれる世界が持つ空気を音楽で劇場内に連れて来たい、と鳥飼さん。今回はアラビアっぽい音階を入れた演奏をされたと話されます。また、電子ピアノと違って生ピアノはこうしたホラー作品に合うという楽器の特性についても話していただきました。
















