
10月25日、女性の性と生を描くホアン・ジー&大塚竜治監督による『石門』上映後に、神戸大学大学院人文学研究科教授の濱田麻矢さんをお招きし、トークイベントを開催しました。
今回、『卵と石』『フーリッシュ・バード』の過去2作品も含む特集上映を展開しているホアン・ジー&大塚竜治監督。どれも監督の故郷である湖南省で撮影されており、3作品の舞台の位置関係や、3作品とも同じ女優が実年齢の主役で10年に渡り演じていることなどを解説いただきました(『卵と石』の時に地元の小学校でスカウトされたそうです)。
どの作品にも共通するのは家族関係のいびつさ・希薄さ、と指摘された濱田さん。『卵と石』『フーリッシュ・バード』は両親が出稼ぎに出て田舎に残された「留守児童」を描いていますが、やはり『石門』は『フーリッシュ・バード』と役名が同じであることからも、過去2作品の続きで主人公のリンは両親とは暮らしておらず、だから実家なのに疎外感があるのでは、と話されました。
また、『石門』のテーマとして「交易の対象となる妊娠・出産」を挙げられ、作中でリンのお腹の子どもが弱み(学業が続けられない)にも交渉の切り札(死産となった子どもの賠償金の代わり)にもなっている状況に触れられました。
そのような中、いかようにも受け取れるエンディングは、この作品で「リンはどうしたらよかったのか」あるいは「どうしたかったのか」という問いを投げかけている、と締めくくられました。
妊娠して圧倒的に不利な立場に立たされる女性を描いていますが、『石門』はドキュメンタリー出身の監督らしく主人公に起こる出来事や周囲の人間を淡々と描いており、だからこそ解釈を観客に委ねる作品になっていると感じます。
濱田さんのお話の後に参加者からも質問や感想が出て、有意義な場となりました。















