
『フィシスの波文』公開初日となる5/11(土)の上映後、本作のプロデューサー、河合早苗さんと池谷薫監督のトークを開催しました。
本作を鑑賞し、“静謐で賑やか”というフレーズが浮かんだというドキュメンタリー監督の池谷さん。一方、「池谷薫ドキュメンタリー塾」の2期、3期を受講し、池谷さんの教え子でもある河合さんは、塾で一番感銘を受けたのは、実家を売ったお金を映画製作に充てたというエピソードだったと告白。「そういうことをして映画を作っていいんだ」と腹をくくるきっかけになったと語りました。
30年前、京都の唐紙工房「唐長」の文様に出会ったという河合さん。400年前の文様を今でも毎日作っていることに、日頃デザインの仕事で新しいアイデアを考えることに疑問を感じていた当時、感銘を受けたといいます。文様の圧倒的な美しさや、古代の血が蘇ってくるような感覚を受けた工房の雰囲気も含めて、個人的な探究心を解き明かしたかったと語られました。
池谷さんから、文様つながりで赤塚不二夫の漫画「天才バカボン」のバカボンの頬や着物の渦巻きに話が及ぶと、赤塚さんの世界観は深い宗教観につながり、映画の中でも渦巻きがテーマになっていること、そこから古代の人は世界が回っていることを理解していたと河合さんは指摘。映画ではイタリアの1万年前の岩絵を訪ねていますが、そこで1万年前の人と同じものに感動し、文様を介してつながった感覚を得たそうです。また、本作で登場するアイヌの人たちやその文化にまつわるシーンについても、文字よりももっと豊かな文様があったから文字としていなかったのではないかと語り、文字以前の営みや文様の豊かさにも触れました。
















