
『風たちの学校』公開初日の上映後、田中健太監督とフリースクールS-BASE代表、清水ひとみさんとのトークを開催しました。
2020年に自宅を解放し、フリースクール運営を始め、今年で5年目を迎える清水さんは支える立場の目線としながら、「子どもたちが一生懸命自分の足で歩むためにそれを支える大人の存在は欠かせない存在。黄柳野高校は素敵な学校だし、素敵な先生たちだなと思いました」と感想を述べられました。
田中監督から「ありのまま」がキーワードになっているS-BASEについて問われた清水さんは、不登校で学校に行けなくなったお子さんや保護者の悩みがある一定の視点であり、「ありのままを受け入れる」と違う視点を持つことの大事さや、そのままでいいと気付いてもらえるような活動をしているとお話されました。さらに、学校へ「行けない」を「行かない」に変えるだけで、不登校が子どもたちの自主的な思いに変わることに話が及ぶと、「行けないを行かないに変えるだけで、自分で選択したという思いから子どもたちも変わります。(学校に行かない)自分に責任をもち、今日1日を生きる主体性に変えていければ」と清水さん。田中監督もご自身が中学3年間家に引きこもっていたときは、学校に行けないことに劣等感を感じていたそうですが、清水さんの話を聞き「ほっとしました」。
他にもフリースクールの情報を届けることの大事さや、学生にやりたいことをやらせる学校のサポート、映画で田中監督が密着したみのきくんやことみさんのその後について話が及んだトーク。清水さんは、とにかくいい大人に出会えることが大事だとし、そのためには子どもたちに自分のタイミングで一歩踏み出すことを伝えているといいます。さらに田中監督の学生時代から時を経て「学校に行かなくてもいいよ」というのが主流である中、現場レベルの印象を聞かれると「学校、フリースクール、自宅と、どれも優劣はなく、一番大事なのは自分で決めることです。多様な学びが当たり前の世界なので、現場の先生たちとしっかり連携していくことが大事」と語られました。
最後に学校に行かない子どもたちや保護者をサポートする立場から、「学校に限らず、社会全体の大人が価値観を変えながら、どこで学んでもいいという社会になれば、みんなが生きやすくなります。兵庫県では1万5千人の不登校の生徒がいますが、既存のフリースクールではまかなえないし、もっと色々な居場所があるはずです。ちょっと顔を出せるお店がもっとできれば救われるお子さんもいるし、支えている保護者の方も楽に生きられるのではないか」と教育の場が一つでないことを示してくださった清水さん。田中監督の『風たちの学校』を通して、幅広い視点の学びの場や大人の役割について話が深まりました。教育の危機が叫ばれる今、改めて本作と向き合うことで、子ども、先生、保護者がお互いにフィルターを剥がして向き合うために、何を心がければいいのかのヒントを掴んでいただけるのではないでしょうか。
フリースクールS-BASE
https://www.wakuwaku-s-base.com/
















