
『潜行一千里 ILHA FORMOSA』公開3日目の上映後、空族の富田克也監督、相澤虎之助さんの舞台挨拶を開催しました。
テーマを見つけたら、現地で生活を共にし、そこからシナリオ作りや現地の人が出演しての映画づくりを行うという空族。富田監督は台湾で映画を撮りたいと2020年1月から通い続け、この夏、アミ族出身DJルンニー(汝妮Dungi Sapor)主演の新作『蘭芳公司』がクランクイン予定であることや、訪台を重ねるうちに台湾のディスコカルチャーが世界的に稀有であることにたどり着き、そこを深掘りしていくことを語りました。本作は撮影前の取材や滞在映像をドキュメンタリーにしていますが、アミ族やセデック族、パイワン族などの村で現地滞在をしながら出会ったアーティストたちが、新しい音楽を作っている最中だったと相澤さん。特に、インタビュー後に台湾グラミー賞を受賞したパイワン族の歌手、アバオ(阿爆Abao)さんとの出会いはホットだったと回想しました。
最初は蔡英文政権下での訪台だった富田監督は、アジアで初めて同性婚を認め、原住民に手厚い補償や言語・文化の回復を支援した台湾に対し「隣の芝生は青すぎた」と回想。複雑な歴史を持ちながらも九州ぐらいの面積の中で共和している台湾の人たちの精神や、台湾ニューシネマを担った先達たちへの憧れと同時に、彼らの作品で原住民たちはチラリとしか登場しなかったことを踏まえて、空族なら何ができるかと考えたそうです。相澤さんもアミ族最大の豊年祭がカラフル、パワフルであることに感銘を受けたことに触れながら「母系社会が持っている共和制が新鮮だった」と語りました。
昨年の訪問(第三次先遣隊)では、富田監督自身が3日3晩歌い踊り続けるアミ族のお祭りの輪に入れてもらったそうで、踊りとともに「アーエーハイハイ」と太陽信仰における太陽への掛け声を発し続けるのは、自然やワイルドに接続するためであることや、アミ族の20歳台の男性は豊年祭の前、1週間山の中に入り、そこにあるものだけで生活するサバイバル術を学ぶ様子やそれが未来につながる教えであることも紹介してくれました。今の時代にこそ必要な「共和」の精神が息づく台湾と原住民族たちの歌、踊り、そして自然との共鳴を、ぜひ目撃してください。
















