
「池谷薫ドキュメンタリー塾」リアル開催復活を記念した特集上映「池谷薫監督特集」。2日目となる5/12(日)『蟻の兵隊』上映後、池谷薫監督の舞台挨拶を開催しました。
本作の“主人公”奥村和一さんは、2011年5月に亡くなられました。生きていれば、今年でなんと100歳になられるそうです。20歳で戦争に行った人が100歳になる、それはかつての“日本兵”がもうほとんどいなくなっているということ。でも、「映画の中で奥村さんは生き続け、戦争のことを教えてくれる」と池谷監督は力を込めて話されます。国によって中国に残留させられた奥村さんですが、その被害と向き合うほどに、加害者である自分からも逃げられなくなっていました。本作の最大の特徴は、「戦争を〈被害〉と〈加害〉の両面から描いたこと」だと池谷監督。
初年兵教育で殺人訓練をさせられたというエピソードを聞き、池谷監督は即座に「そこへ一緒に行きましょう」と提案しました。それがどれだけ奥村さんに酷なことかはわかっていても、そう言わずにいられなかったと話します。それは、「奥村さんとなら戦争の真実にたどり着けるのではないか」との思いによるものでした。そしてその地で起きた驚くべきこと、それはあれだけ戦争を憎んでいた奥村さんが、ある出来事で一瞬にして日本兵に戻ってしまったことでした。池谷監督は「戦争は一生離してくれない、それを僕は“戦争の手ざわり”と呼んでいる」と話します。
今も続く事実、それは「国家は大きな嘘をつく」ということ。本作は、それに対して奥村さんが挑んだ「個人の尊厳をかけた闘い」の記録です。そして国家の嘘は今でも、たとえば森友問題に同じ形で続いていると訴えられました。















