
『走れない人の走り方』公開初日の上映前、蘇鈺淳監督、山本奈衣瑠さん、早織さんによる舞台挨拶を開催しました。
台湾出身の蘇鈺淳監督が東京藝術大学大学院映画専攻の修了制作として作り上げた本作。もともとはロードムービーを撮りたかったそうですが、予算をはじめ様々な学校のルールがあったことから、同級生で脚本の原哲也さん、石井夏実さんと話し合う中、大学での2度目の企画プレゼン前日に、「ロードムービーを撮りたいけれど撮れない監督の話」を思いついたそうです。蘇鈺淳監督は大学入学前に京都の日本語学校に通っておられ、今回の京阪神舞台挨拶は「日本で最初にいたころの場所に戻れるのがうれしい」と笑顔を見せました。
ロードムービーを撮りたいのにうまくいかない新人監督を演じた山本奈衣瑠さんは、蘇鈺淳監督が本作以前に撮った短編の『鏡』から引き続いての出演。トークでも中央に立ち見事な仕切りを見せた山本さんは「芸大の修了制作ということで、内部の上映会だけで終わる作品と思って参加していたが、作品が芸大の校舎を飛び越え、新宿の映画館(テアトル新宿)で上映してもらえ、作品がどこかに連れて行ってくれるというのは本当にその通りだと思った」とお客さまに語りかけました。
『過激派オペラ』(16)、『辻占恋慕』(22)でもご来場いただいた早織さんは、本作では壁にぶち当たる新人監督を叱咤激励するプロデューサー役で新境地を見せています。蘇鈺淳監督とは早織さんが主演の張鈺監督修了制作『破片(かけら)』の現場で出会い、「当時助監督のスーさんが現場でかけてくれる声が温かく、撮影後もお茶をしたりと仲が深まりました」と早織さん。本作でも事前に監督からキャスティングについての相談を受けていたといい、「アドバイスをしていたらプロデューサー役になっていて、あれ、すでに役作り始まっていたかなと思った」と舞台裏を披露されました。
さらに、本作の好きなところは「自由度の高さ」だという山本さんは、「純粋に映画を撮りたいと思って集まった芸大の人たちが作っており、今しかない彼女たちのやり方でやっているところも、この映画のそもそもの“楽しい”光が集まっている」と作品の魅力に触れ、早織さんとふたりで「監督のやさしいところとこだわりがあるところを体験できる」と蘇鈺淳監督の魅力についても語ってくださいました。
最後に蘇鈺淳監督は、本作では特撮映画の助監督役で出演している芸大同期のたかはしそうた監督作『上飯田の話』(当館で7月公開予定)の宣伝もしてくださり、卒業後も切磋琢磨しながらお互いを応援する監督同士のつながりも見えた舞台挨拶となりました。

















