
『冬物語』1/29(水)の上映後に、奥野俊作監督の舞台挨拶を開催しました。
本作は、青森県弘前市で暮らす報われない脚本家の山中が、東京から来たグラフィックデザイナーの大島と出会い、雪の弘前を巡り山中が書いた脚本の世界を旅する物語。制作の経緯について、奥野監督は「本作で山中を演じた松浦祐也さんには、前作の短編『カレーライス Curry and Rice』にも出演していただきました。その後もご縁があり、一緒に映画を作りたいという話から松浦さんを主人公に映画を作ることをテーマに制作しました。」と紹介されました。
本作には境界の曖昧さが感じられ、ホラーのような雰囲気が漂っています。その曖昧さについて奥野監督は「曖昧にしたいというよりかは曖昧になっていきました。見通しなどはないまま撮影をしたので。でもその分からなさをいいと思ってくださる方もいるのだと思います。答えがないものはそのままで良くて、こちらから提示するような答えは持ち合わせていないです。」と語られ、本作における掴めない部分については、観客の想像に任せて解釈を委ねてくださっていることが窺えました。
冬物語というタイトルは観客にとってエリック・ロメールの『冬物語』を想起させるものですが奥野監督はタイトルについて、「深読みするほどの何かはないです。」と言います。「ただ、ロメールの『冬物語』を意識しつつ違う点を挙げると、ロメールの『冬物語』のような偶然性は考えられなくて、本作は山中と大島が恋仲になるのは難しいという前提から話を始めています。」と話されました。
舞台挨拶を通して、監督ご自身が持つユニークさや曖昧さを含めた人柄が本作の魅力に繋がっていると感じました。過去と現在、現実と空想、戸惑いながらも不思議と居心地の良さを感じられる映画体験となるのではないでしょうか。















