
『ココでのはなし』11/23(土)の上映後に、こささりょうま監督、中山雄斗さん、小松勇司さんの舞台挨拶を開催しました。
東京オリンピック開催直後のゲストハウス『ココ』を舞台に、住み込みで働く詩子とそこに集う人々の交流を描いた本作。こささ監督は「企画当時、新型コロナウイルスの緊急事態宣言中、周りと自分を比べてしまっては何かやらなきゃという焦りを感じていました。そのようなななかで『“何もしていない”は“何もできていない”わけじゃない』という言葉に出会いました。僕と同じような気持ちになっている人は沢山いるのかもしれない、そういう人が少し立ち止まって深呼吸できるように、と考えながらこの映画を作りました」と、制作の経緯をお話しされました。
作中では、具沢山のおむすび、お味噌汁、たまごと菜葉の炒め物、レンコンの煮物などの美味しそうな料理が『ココ』の食卓を彩ります。こささ監督は「ご飯を届けるような映画にしたかったんです。お味噌汁を飲むときって、どんなに忙しい人でもホッとするんじゃないかなと思って。おむすびには“縁を結ぶ”という名前の由来があります。詩子のおむすびは彼女の地元の食材を具にしていて、そこには自分のルーツやアイデンティティを込めるという思いがありました」と、人と人を結びつけ、記憶を呼び起こすゆかりになる装置としての料理について言及されました。
ゲストハウスという空間について「人がゆっくり動いている感じ。程よい距離感で人と喋ったりできる場所の価値を感じています」と話す中山さんに、こささ監督は「その距離感っていうのは結構大事にしていました。机を一枚挟んだくらいの距離感の人の表情が見えるくらい。プレッシャーを与えないように、極端なクローズアップは撮っていないんですよ」と、撮影時の志向を明かされました。これに対して小松さんは「それこそプレッシャーを与える役にはなりたくないと思っていました。辛い時期を乗り越えてきたからこその寄り添いというものを考えながら演じていました」と、ご自身の役作りのアプローチと関連づけてお話しされました。
忙しない日々に疲れてしまって一息休憩したくなったときの居場所が『ココ』にはあります。ゆったりとした時間の流れのなかで、あたたかな人たちと美味しそうな料理がいつでも出迎えてくれるような温もりに満ちた作品です。

















