
2月9日(日)ベット・ゴードン監督『エニバディズ・ウーマン』『エンプティ・スーツケース』上映後に、ドイツ映画研究者の渋谷哲也さんのトークが開催されました。
渋谷さんは「アメリカ映画のインディペンデント映画の専門ではない」と断ったうえで、アメリカ・インデペンデント映画界でもさらにマイナーな女性監督であるベット・ゴードン作品が、今、紹介される面白さについて解説してくださいました。
〈多くが男性の視点で物語がかたられるということを、実験的な手法でひっくり返したのがベット・ゴードンで、すぐには受け入れがたいかもしれないが、なかなかに細かい工夫がされていて、そこに気づくと面白い作品です。『エニバディズ・ウーマン』とその延長の『ヴァラエティ』は、あからさまに男性の欲望やファンタジーを開花させる描写をことごとく拒否して、女性がいかに暴力的な状況におかれているかを描いています。ドラマだと誇張されがちな描写をしないので、かえってリアルであるという描き方ですね。断片をつないでいくとわかるし、観客の感情に訴えないのです。
ドイツだと1970~80年代はテロリスト集団に女性も普通に参加していたのですが、アメリカではまれであったと思います。その中で女性がテロリストだったという『エンプティ・スーツケース』、繰り返される儀式的アクションから、彼女が追い詰められていくことを読み取って欲しいというメッセージがあると思います。〉















