
本作で監督を務めた工藤梨穂監督と、村上由規乃さんは京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)時代の同期ということで、2019年公開の『オーファンズ・ブルース』でもタッグを組まれていました。改めて、本作に出演することになった経緯をお聞きすると、「前作『オーファンズ・ブルース』以降また一緒に何か作りたいねと話していたのですがお互い作品を作っていたからなかなか機会がなくて、そんな中でRoadsteadの企画を工藤監督がいただいて自主製作っぽい感じだったからキャスティングも工藤監督が行ってオファーをもらう形になりました。」と、お話し。
撮影について、工藤監督から脚本をもらった時の感想をお聞きすると、「この人間関係を描くに足りる尺なのかな?というのはあって、長編でできるならやりたいという気持ちは監督にもあったと思う。短編だから余白が生まれるのかなという不安もあった。」と明かされました。工藤監督との信頼関係があるからこそ、不安も昇華して本作が出来上がったのだと感じる場面となりました。
工藤監督の作品の特徴である「音や光、身体の運動」をテーマとした映画表現について、本作でのスケボーのシーンについてお聞きすると、「アスファルトで練習してたから本作の商店街のシーンはタイルでツルツル滑って怖かった。でも朝陽が凄い綺麗だったので・・・。」と撮影時の思い出と共にお話しされました。
代理出席屋という村上さんの役柄については、「代理出席屋というものが実際にあるのかなと思っていたんですけどほんとにあるらしくて、演じていてちょっと不思議な何層もレイヤーがあるような感じ。」と演じてみたうえでの感想を教えてくださりました。また、本作で共に旅をする3人の登場人物の関係性について、「すごく奇跡的なものだと思うし、でも友達の友達と知り合うみたいなことなのかなって。最後のトンネルのシーンが時間もかかったしこだわった場面なんですけど、そこで扉が開けるような、また次もあるって思えるような。」とお話しされました。最後に、村上さん演じる譲がラストシーンで彼女自身の名前を名乗ることについて尋ねると、「大変だろうなって・・・。前向きなことではない気がする。」と村上さんの解釈を教えてくださりました。
本作から、“時間”を重ねることで嘘から始まった物語が、人を通じて事実となっていく過程を見ることが出来ました。そして、舞台挨拶で村上さん自身の解釈を提示してくれたからこそ、何度でも観たくなる作品であると感じています。
『オーガスト・マイ・ヘヴン』は当館で30日(金)まで上映しています。みなさま、是非この機会にご鑑賞ください。















