
『来し方 行く末』5/6(火)上映後に濱田麻矢さん(神戸大学大学院人文学研究科教授・中国現代文学)のトークを開催しました。
まず、本作における死者を悼むこと・追悼文の伝統についてお話しされました。「日本では特別な人・有名人でなければ追悼文を読み上げられることはない。しかし作中では有名ではない人が追悼文を読み上げられており、設定として主人公が行っている弔辞の代筆業のように死者を悼む人が職業として成り立っている。」と日本と作中の舞台中国における文化の違いをご説明くださりました。
また、弔辞の代筆業という職業について、「自分が知らない人の人生を甦らせる。生きている時間よりも遥かに長い時間、その人がどんな人だったのか事実として生き残る。」とお話しされました。
死に対して生きているうちは何もできないという部分に関して、ジャ・ジャンクー監督によるコロナ禍の世界を背景にした短編映画『来訪』をご紹介。そこから、死者との関係性について「自分の生活を大切にしながらもどのようにもう一回繋いでいくのか」ということが重要であるとお話し。
ここからは本作の主人公と不思議な同居人シャオインの関係性についてお話しされました。同居人はイマジナリーな存在であり、主人公自身の理想の存在であると説明。自分の作り出したキャラクターが自分の世界を進めていくうえでは必要となり、それが自己の開放へと繋がっていくのだと感じさせられます。2人の男性による奇妙な生活という点で、中国ドラマ『琅琊榜 〜麒麟の才子、風雲起こす〜』をご紹介。
「恋愛関係にはならないけれど友情以上の何かを感じさせ、お互いを内包するような関係性である。それはこの映画からも感じ取っていただけるのではないか」とお話しされました。
今回のトークから、死者と向き合うことは自分自身を見つめるきっかけへと繋がっていくのだと感じました。みなさま、是非この機会にご鑑賞ください。















