
「第3回ヘルヴェティカ・スイス映画祭」11/24(月・祝) 『ロツロッホ』上映後、イスラーム映画祭主宰の藤本高之さんをお迎えし、ヘルヴェティカ・スイス映画祭代表の松原美津紀さんとのトークイベントを開催しました。
聞き手の藤本さんから映画祭をはじめたきっかけを問われた松原さんは、友人が開催していた旧ユーゴスラビア圏の映画を紹介するバルカン映画祭に参加して“映画祭”の存在を知ったこと、ドイツで開催される日本映画に特化した映画祭「ニッポン・コネクション」で配給や監督などと知り合ったことから日本とスイスが国交樹立150周年となる2014年にGINMAKU日本映画祭の開催に至ったと語られました。
さらにスイスの映画館事情について質問が及ぶと、政府から今でも数億単位で映画館への助成が続いていることや、飲食と劇場を兼ねている業態が多いこと、大きな映画館では動員がコロナ前の水準に戻ったが小さい映画館ではまだ戻らないこと、4言語が公用語のスイスならではの公開タイミング問題など映画館を取り巻く状況が違うことも明らかに。
今回の上映作品について1970年代の作品『小さな逃避行』でガストアルバイターが描かれていることに話が及ぶと、第二次世界大戦後の他のヨーロッパ諸国同様に、スイスでも多くの移民労働者を受け入れ、移民たちの村ができたところもあると松原さん。
『バガー・ドラマ』について、シリアスなドロドロ劇にできそうな家族模様をあえてそうしないところにスイス映画観を感じると藤本さんから指摘があると、松原さんは「終わりが大事というより、続くことが大事」というスイス人の意識について語られました。
また藤本さんはロカルノ国際映画祭が歴史のある映画祭にも関わらず、他の三大映画祭より印象が弱いことや、グランプリに選ぶ作品も今年の三宅唱監督作『旅と日々』のように地味な良作が多いことに触れると、松原さんは派手なことは嫌がり、ファッションや暮らしぶりに質素を好む国民性について紹介する一幕もありました。
日本人が抱くスイスのイメージの中で「安楽死」について掘り下げたり、『ロツロッホ』で受け入れ施設に滞在を余儀なくされた難民たちに月々支払われるお金があまりにも安い(日本円で3万円ぐらい)ことなどにまで話が及び、あっという間の45分。ユーロスペースで開催のイスラーム映画祭に参加し、満席の客席から藤本さんのトークを聞いていたという松原さんも感無量の様子でした。世界の作品を紹介する映画祭を、ひとりで企画・運営するおふたりによるとても貴重なトークになりました。
『バガー・ドラマ』は11/25(火)12:30〜
『小さな逃避行』は11/27(木)12:30〜
『ロツロッホ』は11/28(金)12:30〜
連日松原さんの上映後トーク付きです。
















