
『Chime』2週目に入った9/14(土)上映後、映画監督・脚本家の野原位さんによるトーク「私が考える黒沢清監督の面白さ」を開催しました。野原さんは、東京藝術大学大学院映像研究科監督領域在学中に師事されたのが黒沢監督で、その後黒沢清監督作『スパイの妻』では濱口竜介監督とともに共同脚本も務められました。黒沢清監督は“ホラー映画の人”と言われがちですが、Vシネマの『勝手にしやがれ!!』シリーズや映画『トウキョウソナタ』『散歩する侵略者』などさまざまなジャンルの作品を作っており、「現代の映画監督を代表するひとり」だと野原さん。『Chime』を観てもっと黒沢作品を観たくなった方には、サイコサスペンスの傑作『CURE』(1997年)をお勧めされました。
野原さんが『Chime』を観た率直な印象は「何かが起こっているが、何を見たのかよくわからない」。何度も観返した今でもうまく言葉にできないそう。そして、そんな“捉えどころのなさ”こそが黒沢作品の魅力のひとつと話されます。カット割の違いの意図やそれが鑑賞者に与える影響からどのようにして“捉えどころのなさ”が生み出されるか、シーンを引用しての解説は驚きがいっぱい!さらに、2010年に刊行された講演集「黒沢清、21世紀の映画を語る」で、映画で描いているものを問われると“世界”だと答えてしまうという黒沢監督の言葉を引用し、人間にとって大きすぎて掴むことのできない“世界”を描くということが“捉えどころのなさ”に通じているのではないかと考察されました。
映画館を出てからも「すごいものを観た」と感嘆しつつもそれを言葉にできず、本当に理解できているんだろうかと思ってしまう映画が自分にとっての傑作だというお話も印象的でした。何度も観直しては新たな発見を繰り返す、『Chime』もそんな作品だと熱く語られました。














