イベントレポート


2018.05.30
5/26(土)『ウィッチ・フウィッチ』初日舞台挨拶!

『ウィッチ・フウィッチ』公開初日に酒井麻衣監督と出演の辻凪子さんにお越しいただきました。
映画を使って魔法をかける!酒井監督の作品に初めて魔女(ウィッチ)が登場しました!

魔女イチゴを演じるのは 小川紗良さん、相手役の狼男ジンを演じるのは萩原利久さんとフレッシュな顔ぶれ、撮影にはiPhone、企画から公開まで僅か4ヶ月、超スピード完成の本作はしかし酒井監督の集大成です!
ご覧になる方は、これがケータイで可能なんだと驚くはずです。

酒井監督と一緒に登壇した辻凪子さんは酒井さんの大学の後輩(京都造形芸術大学)で仲の良い先輩後輩といった感じでした。
お笑い担当の辻さんが誰よりも緊張してる時に酒井さんが魔法の言葉「ショートコント、イチゴの部屋、はいどうぞ!」で無茶ぶり演出をされたとか。
撮影現場はとても楽しかったんだろうと想像されました。

撮影のiPhoneレンズに望遠とかは使っても後処理で基本の色はいじらなかったと酒井監督、映像にはフィルムで撮られたようなクラシカルな光が映っていて不思議でした、魔法?でしょうか。
辻さんもカメラの存在感がないので撮られている感じがしなっかたそうです。
iPhoneは映画にも十分通用するツールなんですね。

この映画に込めた酒井さんのメッセージが素敵でした。
「素直に好きという強さ、テクニックで悩んでいる時に変に隠さずに、素直に好きという行動力の強さ、みたいなものをこの映画をみて感じてもらえれば」

6/1(金)まで上映中の『ウィッチ・フウィッチ』に付いた予告2本も必見です!
松居大悟監督作『アイスと雨音』(6/9〜6/22)、岩切一空『聖なるもの』(上映日未定)
公開を待ちわびつつ2作品の予告映像もお楽しみください。

酒井監督の映画はタイトルがいつも工夫されていて良いですね。
『ウィッチ・フウィッチ』は最初に聞いた時に、魔女ウィッチと一致不一致とWhich?が折り畳まれたマジックワード(魔法の言葉)だと思いました。

(高橋)


2018.05.30
「レココン 第三回~ミュージカル音楽を聴く、レコードコンサート」開催!

5/19(土)より上映した台湾発のミュージカル映画『52Hzのラヴソング』の上映を記念して、レココンを開催しました。

5/25(金)プレミアムフライデーに開催した“レココン”。好きな、良い音楽を聴く会というシンプルなイベントです。シンプルなことほど奥が深い。音楽を聴きながら、映画のシーンを思い出したり、感想を言い合ったり、時間の使い方は様々です。

お題映画には他館で上映していた作品も取り上げました。先日まで神戸のパルシネマしんこうえんで上映していた『ロシュフォールの恋人たち』。今なお多くの映画ファンを虜にするミュージカル映画の傑作です。他館の上映作品を取り上げるのは初の試みです。

『52Hzのラヴソング』。台北のバレンタインデーに起こる奇跡を描いた、とってもピュアで時に切ない作品です。当日に聴いた公式サントラは作品の要所要所で流れた音楽がそのまま収録されています。本作を観ていない参加者も「お腹いっぱい。これを聞いたら満足しちゃう」とおっしゃいました。このサントラの完成度は非常に高く、歌唱力も聴いていてうっとりします。映画のために作られた18曲は参加者の音楽家の安井麻人さんも唸ります。「70~80年代の日本のポップスが今の台湾音楽界に影響を与えているらしい。まさにこのサントラがそれを表現している」とおっしゃいました。終了後、このサントラも購入されていました。

『ロシュフォールの恋人たち』。ミシェル・ルグラン万歳!1永遠の女神“カトリーヌ・ドヌーヴ”らの可愛さがこのサントラからもあふれ出そうです。1967年の作品ということが今でも信じられません。全編フランス語なので何を言っているかは分からないのですが、おそらく恋をすることの「幸せ」を歌っているんだろうとレココン中は想像していました。

予定時間よりもオーバーしたにもかかわらず、参加者らは会場のphonothèqueにある資料や安井さんのお話を熱心に聞いており、新しいレココンの楽しみかたも見つかったのではないでしょうか。

映画を観ていなくても、参加可能なこのイベント。次回はどんな映画音楽に出会えるのか…お楽しみに!!

(芋羊甘)


2018.05.30
憲法ってなに?、改憲って?そんな悩みをみんなで話す憲法カフェ開催!

5/20(日)、約50年前に「自衛隊は憲法第9条に違反する」と主張された裁判「恵庭事件」を描いた『憲法を武器として』の上映を記念し、憲法について考える「憲法カフェ」を開催しました。

ゲストは“あすわか兵庫”(明日の自由を守る若手弁護士の会・兵庫支部)の吉江仁子さん。現役の弁護士でもあります。

はじめに憲法カフェのルールについて説明されました。「これはカフェです。政治的議論に正解はない。未来をどう選ぶか、選択の問題です。お互いの立場は否定しない。意見の相違があれば質問したくなる。質問は優劣を決めるため、お互いを理解するためにある」とおっしゃいました。

続いて憲法、改憲について自分たちがどう思っているか参加者同士で意見交換を行いました。参加者は性別問わず30代~60代の方々が参加されました。20名くらいでしょうか。ただ20代のかたが少なかったのが残念です。

参加者の意見としては「60年以上かけて守ってきた憲法だ。この問題について憲法カフェみたいな場所があって嬉しいが、一歩外にでると改憲問題への反応が薄いのが非常に残念だ」とおっしゃいました。

みなさんの意見を聞いて吉江さんの講義は始まりました。改憲になった場合とそうでない場合など詳しくお話しされました。印象的だったのは安保法制の問題と改憲について。「改憲に対し、圧倒的多数の憲法学者が、違憲だと反論しているのに『問題はない』という回答で押し通す菅官房長官、政府の見解には驚かされる」とおっしゃいました。

また集団的自衛権行使のデメリットとして“戦争に巻き込まれる可能性”の他にテロ問題をあげました。「国内でもテロを誘発する可能性がある。テロは軍隊では完全に防げない。恨みを買わない外交をするしかない」という言葉が印象的でした。

講義後には再び参加者同士で意見交換の時間があり、前半と違い、理解を深めた参加者から活発な意見が飛び交っていました。

参加者は成人した方ばかりでしたが選挙権が「満18歳以上」と引き下げされた今、10代のみなさんにも考えてもらいたい問題だと改めて思いました。

(芋羊甘)


2018.05.30
〈池谷薫 ドキュメンタリー塾〉から生まれた映像制作サークル【元町プロダクション】編集ワークショップ開催しました!

ドキュメンタリー作家・池谷薫さんによる〈池谷薫ドキュメンタリー塾〉から生まれた映像制作サークル【元町プロダクション(通称:モトプロ)】。3回目となる編集のワークショップを5/27(日)に開催しました。これまでの2回と比べ参加者が少なかったぶん、その内容は濃密なものとなりました。

いつもは集まり次第みなさん黙々とそれぞれの作業に移られるのですが、今回はその前に池谷さんから提案がありました。「今日、自分は何を達成しようとしているのか」をそれぞれ作業の前に発表するというものです。ぼんやりと思い描いていた“どこへ向かいたいのか”を明確な言葉で表現したうえで、改めて今日の作業の目標を設定することで、参加時間への意識が高まります。

モトプロメンバーは、映像制作に初めてチャレンジする方ばかりです。これまでの2回のワークショップでは編集ソフトAdobe Premiere Proの使い方に慣れることが最優先でしたが、「目標を明確にする」という池谷さんの提案を聞いて、モトプロも次のステージに進んだのだと感じました。

目標を言葉にしたことで、それぞれの編集作業にも熱が入ります。この日の参加メンバーはいつもより少なかったとはいえ、講師役のお2人はいつもと変わらず忙しく立ち回っています。映画監督の池谷さんに加え、講師役のお2人もプロの編集マン。映像制作を志すのに、こんな良い場所はないのではないでしょうか(手前味噌ですが…)?!

お昼休憩をはさみつつもたっぷり8時間は作業をされ、今日の成果発表です。それぞれ編集した映像を上映する前に、改めて目標に掲げたこと、そしてどういうところを見てもらいたいかをプレゼンしました。

そして上映後は、池谷さんと講師のお2人に加え、参加者全員で講評をしました。制作者本人の〈こう見てほしい〉と鑑賞者の〈こう見えた〉の食い違いもよくわかり、作業前の目標設定に加え、このプレゼンも大事なことだとわかります。池谷さんの「見せたいことを実現するために技術を身につける」という言葉にはハッとさせられました。

こうしてみなさんの作品が生まれるところに立ち会えるのは、とても貴重な体験で学ぶことがたくさんあります。映像制作を目指す方のさらなるご参加、お待ちしております!

(mirai)


2018.05.22
『TANIZAKI TRIBUTE』公開記念トークイベント『私はお前の足に踏まれながら死ぬ‼︎〜谷崎潤一郎と映画のアブない関係〜』を開催しました!

『TANIZAKI TRIBUTE』の公開を記念して、トークイベント『私はお前の足に踏まれながら死ぬ‼︎〜谷崎潤一郎と映画のアブない関係〜』を開催しました。トークのゲストには、谷崎研究者である京都精華大学の西野厚志先生と谷崎文学の魅力を語っていただく告知動画にもご出演いただいたフリーアナウンサーの田名部真理さんにお越しいただきました。
田名部さんご出演の動画はこちら→

数ある谷崎文学の中から、3名の映画監督たちがそれぞれに選出した『富美子の足』、『神と人間との間』、『悪魔』を現代の物語として蘇らせた『TANIZAKI TRIBUTE』。(内容は日替わりですので、ご注意ください。)実はこのイベントのタイトルも、当日の上映作である『富美子の足』の原作からの引用でした。みなさん、お気付きでしたでしょうか?

トークは『富美子の足』の原作の文章の構造についてから始まり、谷崎と映画の関係、再び小説の世界へと戻ってきた谷崎の“美”の表現の変化についてまで、西野先生がご用意されたレジュメ&スクリーンに映し出されるスライドをもとに進められました。

なかでも印象的だったのは、小説家から映画監督となり再び小説家として活動した谷崎ならではの“美”の表現の変化についてでした。映像では一瞬で提示することのできる“美”は全ての人にとっての“美”ではないこと、むしろ言葉でぼかして視覚性を否定する表現をした方が受け手の想像力で補われることによって、“普遍の美”を提示できるというのです。

また田名部さんには、随所で西野先生が抜粋した谷崎の引用文を情感たっぷりに朗読していただき、何とも妖艶な谷崎の世界を体現していただきました。

最後に、西野先生は谷崎の魅力について「一言でいうと変態なんです。変態ってアブノーマルっていう意味もあるけど、昆虫が変身していく意味でも使いますよね。50年という長い作家生活の中でどんどん変化をしていくところ、そこが谷崎の謎を解いてみたいと思わされる魅力かな」とおっしゃいました。

3名の監督にとって、谷崎の提示する“美”はどのように解釈されたのか。ぜひ劇場にてご覧ください。

久々に1003さんとのタイアップ 〜観読往来〜 も開催しています。
ぜひこの機会に文学から映像、または映像から文学へ谷崎の世界を行き来して、自分にとっての“美”は一体どういったものなのか、思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

(まりこ)


2018.05.19
『四月の永い夢』中川龍太郎監督舞台挨拶&交流会開催しました!

『四月の永い夢』公開2日目の5/13(日)、中川龍太郎監督の舞台挨拶とお客さまとの交流会を開催しました。中川監督にお越しいただくのは、2015年の『愛の小さな歴史』、2017年の『走れ、絶望に追いつかれない速さで』に続いて実に3度目。

「おかえりなさい!」という気持ちでいっぱいでしたが、舞台挨拶で中川監督も「続けて自分の作品を上映し続けてくれている劇場は関西ではここだけ。“ただいま”という気持ちです」と言ってくださいました。

本作制作のきっかけとなったのは、2年前のネパールへの旅だったと中川監督。美しい景色を目にして、「手紙を書きたい」と感じたのだそうです。その相手として真っ先に浮かんだのは、中川監督の亡くなった友人でした。送る相手はもういないけれど、手紙というカタチだからこそ出せた気持ちを再確認し、書いて良かったと思うと同時に、〈届かないけれど書いて良かった手紙〉を題材にして映画を撮りたいと東京に帰って一週間ほどで脚本を書き上げました。

主演は、脚本執筆段階から朝倉あきさんをイメージして当て書きしていたそうです。高畑勲監督の『かぐや姫の物語』を観て、人との距離が近すぎない朝倉さんの声に胸を打たれ、彼女がダメだったらこの映画を作らないつもりだったと話します。

映画の冒頭にも登場する見事な桜のシーン(ポスターにもなっています)は、もちろんCGではなく実際の桜の下で撮影されました。2月に脚本を書き上げ、企画が本格的に動き出す前に桜の満開シーズンに合わせここだけ先に撮影をしたのだそうです。観た方は誰でも、最も心に残る美しいシーンだと感じたのではないでしょうか。思い出すと胸がギュッとなります…!

舞台挨拶の後は2Fに移動し、お客さまとの交流会を実施しました。ロビーで素敵なイラスト展示を開催中のケント・マエダヴィッチさんも参加してくださいました。最初に中川監督が元町映画館に来てくださった2015年から、ずっと交流を続けていらっしゃいます。

みなさんの感想をお聞きしていると、神戸の上映なのに、映画に登場する東京・国立の銭湯に行ったことがあるという方が2組もいらっしゃってびっくり。中川監督はひとりひとりの話を真剣な眼差しで聞き、すべてに丁寧に答えられていました。なんて贅沢な時間!映画に込めた思い、撮影の裏話、シーンの意図などいろんなお話を伺えてさらに作品への愛情が大きくなりました。

1作ごとに進化していると驚かされる中川監督。『四月の永い夢』は、優しく、温かく、心の中に灯ったちいさな熱がずっと続いて、観たあと自分の周りの世界が少し違って見えるような映画です。早くも今年ベストとの声も聞かれます。たくさんの方がこの映画に出会ってくれることを願います。

(mirai)


2018.05.15
人間の“尊厳”とは何か!「池谷薫ドキュメンタリー塾」を開催しました!

映画監督である池谷薫さんから直接ドキュメンタリー映画について学ぶ全7回の連続講義、「池谷薫ドキュメンタリー塾」。5/10(木)に行われた第3回目の講義では、池谷さんの劇場デビュー作である『延安の娘』を鑑賞しました。今回は作品の鑑賞と簡単な背景の解説で時間が来てしまったのですが、限られた時間の中でも熱く講義いただいたその模様をレポートいたします。

今回の『延安の娘』は、「人間を撮る」という池谷さんに一貫するテーマが定まったという、まさに原点とも言える作品だそうです。「先にあんまり色々話したくない」、「まずは浴びるように感じてほしい」という池谷さんの言もあり、前置きもそこそこで作品鑑賞が始まった今回の講義。その言の通り次々と現れる人物、その人物が生きる時代背景とその時代ゆえの事情、そして彼らの心情がまさに浴びせかけられるあっというまの二時間でした。

残りの時間で作品の制作背景をお話いただきましたが、今回の講義で池谷さんは、「ドキュメンタリーの根っこはゴシップ性」、「ドラマ性の根っこもゴシップ性」といった言葉を繰り返されていました。これらの言葉を裏返すと、いかにその“ゴシップ”にアンテナを張って収集していくかが重要だということではないかと思います。講義の中でも、「ラッシュ」と呼ばれるその日撮影した素材を見ながら、次の日に何が起こるか予測し準備する作業を毎晩行うというお話がありました。それだけではなく、池谷さんがお話になる撮影中のエピソードには、劇中には無い、人々とのやりとりが本当にたくさん出て来ます。とある人物の家に、ゴシップを求めて暇さえあればあがりこんで話したというエピソードや、情報収集で深く現地と関わるうちに見合いを勧められ結婚したスタッフのエピソードもありました。そしてこのゴシップ性の最たるものが、今作を撮るにあたって池谷さんは、延安の娘こと「海霞」を七年かけて探しだしたということです。海霞がいたから撮ったのではなく、時代背景やそれまでの膨大な数の取材・会話の中で、この海霞のような娘が必ずどこかにいるという予測をたてて探し出したそうです。この『延安の娘』は、「劇映画を凌ぐドラマ性」と評されたそうですが、池谷さんの執念の“ゴシップ収集”からうまれたドラマ性だったようです。

さて次回は5/17(木)。今回鑑賞した『延安の娘』を、大量の映像クリップで振り返りながら、余すことなくゴシップの撮り方・集め方をネタバレしていただきます!

監督自ら作品を丸裸にするドキュメンタリー塾、予約・詳細はこちら!→

(酒見)


2018.05.15
5/12(土)&13(日)『憲法を武器として』稲塚秀孝監督、舞台挨拶と交流会、開催!

これからの憲法と自衛隊を考える良い機会となる映画『憲法を武器として』
元町映画館でも5/12(土)から上映が始まりました。
連日10:30から5/18(金)まで上映しています。

初日と二日目に稲塚秀孝監督をお迎えして上映後に舞台挨拶、その後お客様と談話する交流会を開催しました。

この映画は1962年の恵庭事件を題材に再現ドラマとドキュメンタリーで構成されています。
恵庭事件の経緯を簡単に説明します。

北海道の恵庭町(現在は恵庭市)で酪農を営む野崎兄弟が自衛隊演習場の電話通信線を切断した刑事事件です。
切断に至った理由は、射撃訓練の騒音のため乳牛の乳の出が悪くなり、自衛隊と野崎兄弟の間の確約「境界付近の射撃訓練では事前に連絡」を自衛隊が破ったことです。

検察は自衛隊法121条にある防衛器物の損害で起訴しましたが、弁護側は自衛隊は憲法9条に違反、自衛隊法は違憲であると主張しました。
結局無罪判決でしたがその理由が問題でした。
自衛隊法121条に抵触しないので無罪、無罪である限り違憲か合憲の判断はする必要がない。
争点をはぐらかす「肩すかし判決」と呼ばれました。

稲塚監督は「肩すかし判決」が出た1967年当時高校生で、驚いたというよりありえない、と感想を言われました。
これがきっかけで高校時代は演劇、卒業してからはTV制作の世界で、社会問題に取り組んでいかれました。

そして「肩すかし判決」から50年を経た後に『憲法を武器として』が完成したことは驚きです。
しかも自衛隊の位置付けや憲法9条をどうするのかというのは2018年いま現在も続く未解決の問題です。

稲塚監督は判決当時に出身地の北海道苫小牧から恵庭町へ野崎兄弟を訪問され、この映画製作にあたって2016年に再訪されています。
お二人は判決後2年で酪農をやめて食肉加工の仕事をされていたそうです。
あの有名なノザキのコンビーフを作っていた家系なんだとか、びっくりです。

稲塚監督が映画の資料とした平和委員会がテープレコーダーで記録した公判の模様、これを聞くと、被告と原告の相互で法律家以外からも声が上がり、盛んな議論の場となっているそうです。
ちなみに平和委員会の代表理事のお一人は内藤功さん(恵庭事件や多くの憲法裁判に関与)です。

映画をご覧になった方は本作の公式ガイドブック(1080円)を読まれると理解が深まると思います。
土日にご来場された熱心なお客様はお求めになられ交流会に参加されていました。

上映は金曜まで(5/18)です。
ご来館をお待ちしております!

(高橋)


2018.05.15
2018.05.12『ライカ』今関あきよし監督の舞台挨拶を開催しました!

モスクワを舞台に日本人とロシア人、女性同士の繊細な心の機微を描いた日露合作映画『ライカ』公開を記念して、初日5/12(土)に今関あきよし監督の舞台挨拶を開催しました。

この映画を作るきっかけは、ソビエト連邦崩壊後に大林宣彦監督とロシアをまわり色々な家庭のドキュメンタリーを撮り、カルチャーショックを受けたことにあるそうです。いつかロシアで撮りたいという思いと、その後SNSを通じてロシアの友人が増えていき『ライカ』として実現しました。

ロシアではテロの影響もあり、なかなか撮影の許可が下りず、オープニングのモスクワの地下鉄はゲリラ撮影だそうです!地下宮殿のような美しいシーンを是非劇場でご覧ください。
2人の部屋のある古いアパートはソ連時代のもので、1フロアに5世帯が住み、お風呂・トイレが共同なのでお風呂の撮影シーンでは、住人と時間が被らないようにするなど大変だったそうです。

制約なく自由に撮りたいと、キャスティングはロシア・日本でオーディションでした。
ライカ役の宮島沙絵さんは1ヶ月半でロシア語を習得されたと!彼女の個性的なファッションは、捨てられたぬいぐるみをイメージされ原宿っぽくまとめられました。
ユーリャ役のクセーニア・アリストラートワさんは舞台芸術大学卒業間近で演技の基礎ができていました。来日の際には海外で人気の抹茶のお菓子を大量に買われたそうです。
主演の2人は今も連絡を取り合う仲です。部屋で2人にカメラを渡し、自由に演技・撮影してもらったシーンもあります。

2013年に同性愛プロパンガンダ禁止法が成立、ロシアでは『ライカ』は一般公開されていません。関係者試写会も映画館ではなくテレビ局の試写室だったそうです。

監督はウクライナと台湾でそれぞれ新作の製作が進んでいます。
今関あきよし監督の今後のご活躍を楽しみにしています!

(和田)


2018.05.15
『ニワトリ★スター』トークイベント開催

5/11(金)当館での上映を記念して主演、雨屋草太役の井浦新さん、かなた狼監督によるトークイベントを開催しました。

開催場所には神戸にある甲南大学の新キャンパス“iCommons”。昨年完成し、映画の上映会やゲストを招いてのトークイベントなども開催しています。聞き手は映画評論家のミルクマン斎藤さん。トークライブ「ミルクマン斎藤のすごい映画めんどくさい映画」を開催するなど関西でその名を知らないかたはいません。

会場には本作のファンだけでなく、甲南大学生などで満席となりました。映画の話はもちろん、客席を壇上にあげての質問など、サプライズ満載で充実したイベントとなりました。

はじめに井浦さんから「映画館とは違った場所でお話することは戸惑いもありますが、楽しみでもあります。よろしくお願いします」とご挨拶がありました。

まず井浦さん、かなた監督が出会ったキッカケを聞かれて、井浦さんは「アーティストとしても活躍していた監督は初めから単純な人ではないことが目を見て伝わってきた」とおっしゃいました。それを聞いた監督も「絵を描いていた時に一緒に塗りつぶす作業をしていた。丁寧に塗ってくれよるんですわ」と語りました。また井浦さんは出演作である、故・若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)をかなた監督が見てくれていたことが嬉しかったとおっしゃり、「この関係は気持ちいいな」と思ったそうです。

かなた監督は井浦さんについて「表現者同士は対決でもある。一度、新とはガチで勝負したいという義務感がこの作品を作るきっかけにもなった」とおっしゃいました。

現在の映画業界について話はすすみ、かなた監督は「本作は通常の映画製作とは違った順序を踏んでいる。作品の暴力シーンもきついなと思う人もいたかもしれない。でも現実の社会では映画の中身以上のことが起こりつつある。でもそれが当たり前になっていて、映画の世界が拒絶されているのはおかしい。そんな逆転現象が起こる中で“はしっこ”に追いやられている僕たちを押し戻すような作品を撮っていきたい。そしてそんな作品を支持してくれているみなさんはその自由を勝ち取っている」とおっしゃいました。

井浦さんも映画業界のことについて「表現できる幅が狭まり、それを魅せる場所も減っている。映画しかできないことができていない。それでも今は30~40代の映画監督がそういう現状を打開するべく頑張っている」とおっしゃいました。

トークの終盤ではお客様からのティーチインも急遽開催されました。本作を観た甲南大学の学生は「衝撃的なシーンの連続で戸惑いもあったが、ワクワクした」と語り、「役を演じても、自分の中で変化していないことはなんですか?」という質問も井浦さんに投げかけました。井浦さんは「僕は感じることしかできない。経験を重ねていけば、変わることが面白くなるけど、常に感謝する気持ちに変化はない。人に生かされて、この場所がある。やり方を見失うときもあるけど、言葉にするだけで自分の大事なことを思い出した。質問してくれてありがとう」とお礼を伝えて学生も嬉しそうでした。

会場にいる誰もが井浦さん、かなた監督の一言一句を聴きたい想いからから、良い緊張感がありました。お二人の雰囲気や話には経験者しか語れない魅力があり、お二人の仕事への取り組み方を聴いて、お客様はどう思ったでしょうか。私は今回の話を聞いて仕事の視野が大きく広がりました。

トーク後のサイン会も長蛇の列ができました。一人一人、丁寧に対応するお二人の姿が印象的でした。

あっという間のトークイベントでしたが、満足度の高い時間になったのではないでしょうか。
井浦新さん、かなた狼監督、ミルクマン斎藤さん、そして甲南大学のみなさま、どうもありがとうございました。

(芋羊甘)


2018.05.05
『私の舌は回らない』公開記念、「移民とボーダーを考える~現代ヨーロッパ映画のある種の動向について」スペシャルトーク開催

5/3(木)、『私の舌は回らない』の公開を記念して、東京国際大学教授の渋谷哲也さんによるトークイベントを開催しました。渋谷さんはドイツ映画研究やドイツ映画字幕翻訳が専門で、かつて当館でもゲストとしてトークもしていただきました。

過去のイベントレポートはこちら→

まず本作のセルピル・トゥルハン監督の本作の製作への経緯や、ある家族のアイデンティティをカメラを通して映し出す試みが行われているかのお話がありました。『兄弟』(1996年)、『黄金』(2013年)など、紹介された映画はどれも観たくなるものばかりでした。

ある家族に迫ったドキュメンタリーは非常に多く「ドイツでは日本の感情的な被写体の切り取り方と違い、客観的に捉える作品が多い」とおっしゃいました。本作は「トルコ語やクルド語が入り混じる日常にスペクタクル的展開はないが、抑圧的な家族の姿がよく捉えられている」とおっしゃいました。

話は変わり、70年代以降の移民の爆発的増化に合わせた映画の変遷について。一部をご紹介します。ドイツ国内のトルコ籍を持つ人が急激に増えた社会問題を背景に生まれた『不安は魂を食いつくす』(監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー/ドイツ/1974年)。渋谷さんは「外国人労働者の若い男性と初老の未亡人の女性、二人の関係が周囲に認められることで、互いの文化差が表面化して良好な関係性が崩壊していく描いたメロドラマの傑作」。70年代と移民問題を見事に捉えた作品です。

2000年代の『愛より強く』(監督:ファティ・アキン/ドイツ・トルコ/2004年)。自身もトルコ系ドイツ人のファティ・アキン監督が体験談をもとに、結婚制度などをリアルに描いています。「商業映画監督でもあるので魅せ方がうまい」という渋谷さんの言葉が印象的でした。

10年単位で移民を見る世間の目が変化していることが伺えます。まだ続きます。

2010年代ではヤセミン・サムデレリ監督の『おじいちゃんの里帰り』。「移民3世代を表現した集大成的な作品」とおっしゃり、原題を翻訳すると「ドイツにようこそ」。トルコ系ドイツ2世の監督が移民問題の難しさをコミカルに描いた秀作です。

最後に渋谷さんはこう締めくくりました。「文化的多様性は映画に定着したのか?ー移民同士というレッテルはまだ有効な関係を持つのか。映画祭は隠された多様性を発掘する場所として大切。これからもぜひ継続して欲しい」という言葉で締めくくりました。

おかげさまで大入りの「イスラーム映画祭3」。来年もたのしみ!(勝手に開催希望)。藤本さんに大期待!

(芋羊甘)


2018.05.05
イスラーム映画祭3/『ラヤルの三千夜』岡真理さんトーク開催しました!

イスラエルの刑務所で出産した女性の実話をモチーフに、長年続くパレスチナの理不尽な現実を描いた社会派ドラマ『ラヤルの三千夜』。4/29(日)、映画上映後に「終わらぬ民族浄化―ナクバから70年のパレスチナの現在」と題して、岡真理さん(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)のトークを開催しました。

タイトルにある「ナクバ」とは、大災厄を意味するアラビア語です。1948年、イスラエル建国の際に起きた民族浄化の悲劇をこう呼んでいます。もう70年経ちますが、ナクバを過去の出来事として片付けてはいけません。なぜなら悲劇はまだ今日も続いているからです。

今回のトークでは、パレスチナの現状を伝える映画を紹介しつつ、民族浄化の発端となったシオニズムについて、50年続くイスラエル軍の占領について、封鎖されているガザ地区の現状について、お話しいただきました。岡さんは、社会学者サリ・ハナフィが定義したSpaciocide(空間の扼殺)という言葉を引用して、例えばホロコーストのようなジェノサイドではないかもしれないが、「人間らしく生きるための条件(=空間)が、70年もの歳月に渡って漸進的に抹殺されている」パレスチナ問題の深刻さを語気を強めて訴えました。

政治的な主体性もなく、今日一日を生き長らえることで精一杯な人たちがたくさんいるのです。このようなTVでは得られない情報を、関心を持って掴んでほしい。そしてもっと多くの人たちに知ってもらうために上映会を開いてほしい。と岡さんは呼びかけ、トークは締められました。当館では、これから公開される映画『ラジオ・コバニ』『ラッカは静かに虐殺されている』『ガザの美容室』などをぜひご覧いただけたらと思います。

(斉藤)


2018.05.05
「レココン 第二回~イスラーム音楽を聴く、レコードコンサート」開催。

4/28(土)より開催中の「イスラーム映画祭3」に合わせ、4/27(金)に 「第二回~イスラーム音楽を聴く、レコードコンサート」を開催しました。

当日のプレミアムフライデーにふさわしい、有意義な時間となりました。

会場は前回と同じく元町駅から徒歩約3分の場所にある 「Salle de musique:Phonotheque - 音楽室:フォノテーク」。スペシャルゲストとしてministudio代表で音楽家の安井麻人さん。さらに「イスラーム映画祭」の主宰、藤本高之さん。贅沢にもお二人による音楽解説付きで始まりました。

今回は藤本さんセレクトのスペシャルプログラム。
①『神に誓って』 (監督:ショエーブ・マンスール/2007年/パキスタン/168分)
②『私たちはどこに行くの?』 (監督:ナディーン・ラバキー/2011年/イタリア、エジプト、フランス、レバノン/110分)

昨年の「イスラーム映画祭2」の大ヒット作品です。藤本さんはまず音楽をかけると「このスピーカーで聴くと、凄い。ただ凄い」とおっしゃり、曲を聴きながら映画ができた背景や作曲者のプロフィールなどをご紹介されました。

『私たちはどこに行くの?』がかかると「冒頭、女性陣のダンスシーンから始まる。それが良い。違う宗派、立場の人々が交じり合うシーンで、このオープニング曲が良い味を出している」とおっしゃいました。

レココンの良いところは曲を聴きながらも、互いに音楽の感想を言い合えるところ。参加者からはイスラームの国々を旅行したときの体験も交えながら、お話をしました。「ある国を旅行中、家に付いていったら、ケーキをご馳走になった。しかし、そのケーキには薬が入っていて大変な目に」などなど参加者の体験談はなかなかの衝撃でした。

参加者の中には「映画が好き」という理由でこのイベントに興味を持った方もおり、藤本さんと楽しそうに映画談義をされていたのが印象的でした。

音にこだわると、映画の見方も広がります。次回は5月後半に「ミュージカル映画」で開催予定。ご興味あるかたはぜひお申し込みください。

(芋羊甘)


2018.05.05
甲南大学にてミニ講義開催

4/25(水)、甲南大学の授業内にて当館スタッフによるミニシアター講座を開催しました。 元町映画館の紹介に加えて、劇場で行う映画の「宣伝」についてもお話しました。

普段の授業では映画のカットや、日本映画の監督について学んでいるそうです。参加者の学生の多くは3年生ということもあり、映画館での仕事について興味を持っていただきたくお話をしました。

当日の会場には約40名の学生が参加しました。多くが元町映画館に来たことがないような方ばかりのようでしたが、映画の力は偉大?、たまにメモをとるような方もおり、その姿が印象的でした。

講義内では元町映画館ができた経緯や、シネコンや当館のようなミニシアターなどの違い、そして映画の宣伝について盛りだくさんでお話ししました。特に元町映画館での宣伝活動についてでは動画などを交えて説明し、当館独自で実施しているトークイベントもご紹介しました。

終了後のアンケートには「映画制作に興味があり、いろんな映画館で映画を観たくなった」「超!学割シネマを使って、行ってみたい」といった意見から「元町映画館では映画を作らないんですか」といったご意見まで、本当に甲南大学生の前のめり感には頭が下がります。真っ直ぐ素直な質問に学ぶことがたくさんありました。

40分という短い時間で何か、映画の面白さが伝わり、映画館に少しでも足を運んでくれる学生が増えればなと思います。

甲南大学のみなさま、どうもありがとうございました。

(芋羊甘)


2018.05.02
イスラーム映画祭3/『モーターラマ』『ボクシング・フォー・フリーダム』西垣敬子さんトーク開催しました!

昨年の大好評を受けて今年はGWの開催となった「イスラーム映画祭」。初日の4/28(土)、『モーターラマ』『ボクシング・フォー・フリーダム』のアフガニスタン作品2本立て上映後に西垣敬子さんのトークを開催しました。

西垣さんは、1994年に【宝塚・アフガニスタン友好協会】を設立されてから23年にわたりアフガニスタンの女性や子どもたちへの支援活動をしてこられました。その間の渡航は42回を数えます。

1993年に東京でアフガニスタン大使館主催の写真展で戦地の様子を見て、強く感銘を受けた西垣さん。大きな感動とショックに衝き動かされ、その場で職員に交渉し地元の宝塚でも同展を開催することになりました。市の予算で開催できることになりましたが個人では認められず、急かされるように【宝塚・アフガニスタン友好協会】を設立したのだそうです。

ところが会場が広すぎ、写真だけではとてもスペースが埋まりません。いろんな人に声をかけてはアフガニスタン人のお宅を突撃訪問しまくり、展示に貸してくれるものを掻き集めたと言います。“一介の主婦”とご自身を称されますが、この行動力は全然“普通”ではありません!

写真展で集まった4千ドルを手に、初めて訪れたのがジャララバードの国内避難民キャンプでした。“難民”になるにはお金がいる、と西垣さん。貧しい人たちは戦火を避けて国内を逃げ回るほかなく、そんな人たちが集まったのがこのキャンプだったのです。酷暑で乳児は皆死んでしまったと聞き、避難民どうしで開いたキャンプ内の学校用にテントと学用品を購入されました。

1年後、2度目の訪問時は女性の姿が見えないことに目を留め、「女性はテントから出る権利も、外を歩く権利もないことに腹が立って」女性を集めて要望を聞きました。すると「刺繍がしたい」「ミシンが欲しい」と次々声が上がり、手回しミシンを30台購入して洋裁教室を開いたのだそうです。女性たちはみな大喜びでしたが、それもタリバン政権に変わると集会が禁止され教室も解散となってしまいました。

そのほかにも、使わなくなった刺繍糸をアフガニスタンの女性にプレゼントするという企画で届いた大量の段ボールで寝る場所がなくなったとか、男女が完全に分かれたアフガニスタンの結婚式ほどつまらないものはないとか、女子学生のために作った女子トイレを男性教授が常用しているとか、様々なエピソードを聞かせてくださいました。「詳しく話すと明日になっちゃう!」との言葉に笑いつつ、素敵な西垣さんのお話をもっともっと聞きたくなるトークでした。

女性たちの手による刺繍や細密画のアップが映し出されると、会場からはため息が。アフガニスタンには美しいものがたくさんあります!

(mirai)


2018.05.02
4/28(土)『憲法を武器として』先行上映会&トーク開催!

1962年12月の恵庭事件を題材に憲法の価値を問うドキュメンタリー『憲法を武器として』
元町映画館での5/12(土)公開に先駆けてトークイベント付き先行上映会をこうべまちづくり会館で行いました。

トークゲストとして登壇されたのは元首相!の鳩山友紀夫さんとかもがわ出版編集長の松竹伸幸さんでした。
お二人は1年半前の出会いから2冊の書物をつくり沖縄、抑止力、憲法の問題を世に問いかけてこられました。
『沖縄謀叛』(鳩山さんと元沖縄県知事大田さん他との共著)
『抑止力のことを学び抜いたら、究極の正解は「最低でも国外」』(鳩山さんと元防衛官僚柳澤氏との共著)
また松竹さんは単著『改憲的護憲論』を出しておられます。

元首相と出版社編集長の政治に関する話だから難解になるのかと身構えていましたが、松竹さんのリードでざっくばらんなトークとなりました。
とはいえ話題の中心は、沖縄、軍事抑止力、憲法第9条、自衛隊。

この短いレポートででお二人の言説とその歴史的背景を手際よくまとめるのは私には無理ですし、言論人の言葉を十分に理解しないまま伝える恐れもありますので、トークを拝聴した一人の感想として以下少し。

鳩山さんも松竹さんも仰った「対米従属」は昔からしばしば聞く言葉です。
日本はアメリカの言いなりである、軍事的にも経済的にもというわけです。
政治的立場を超えて、これには身も蓋もない説得力があります。

従属性はともかく日米の関係は江戸末期以来ずっとあって、この先も続く日米関係こそが、沖縄、抑止力、憲法第9条の問題を解く鍵である...
しかしではどうすればいいのか。
鳩山さんが仰った対話と協調のシステムの確立、これ以外は考えられない。

しかしそうするためには...
映画『憲法を武器として』を観て、鳩山さんと松竹さんの上記著書を読むことだと思います!
このゴールデンウィーク、映画と本で楽しく勉強してはどうでしょうか。

(高橋)


2018.05.02
イスラーム映画祭3中町信孝先生トーク開催しました!

4/30(月)で3日目となるイスラーム映画祭3。甲南大学文学部の中町信孝先生をゲストにお招きし、『ムスリムとコプトはひとつの手 〜愛国ソングから見るエジプトの国民意識〜』と題したトークイベントを開催しました。
この日のトークの題材は、エジプトに住むコプトの少年ハーニーが素姓を隠し、新たな生活と向き合っていく『エクスキューズ・マイ・フレンチ』です。

中町先生には、ムスリムとコプトは名前で見分けがつくのか、エジプトのキリスト教徒について、音楽から見るエジプトの愛国イメージについての3点を中心にお話しいただきました。

中でも印象的だったのは、エジプトでの音楽の捉えられ方、社会に対する影響力の大きさでした。

いかに民主的な国家であるかということを示すために、エジプトでは2000年代から人気歌手による選挙応援ソング・愛国ソングが次々と作られるようになったようです。ただ、エジプトの音楽を取り巻く環境はだんだんと厳しくなってきているそうで、近年ではそうした愛国ソングを歌っていた歌手のライブ中の一言が政府の目に止まり、罰金と懲役が与えられた事件についてもお聞きしました。

またハーニーの父親アブダッラー役のハーニー・アーデルは近年多くの映画に出演する名バイプレーヤーで、元々はロックバンド「Wust el-balad」のボーカリストだそうです。こうした歌手以外の活動が増えているのも、政府に睨まれているからなのかもと中町先生はおっしゃいます。

脚本の段階でエジプトの検閲に引っかかり、書き直しを命じられたという本作。「僕らは観ながら笑ってすましてしまうけど、この作品にはエジプト社会の様々な問題を含んでいる」と先ほどまで和やかだった主催の藤本さんの表情は一気に真剣なものに。

5/2(水)にはウム・クルスームという歌手の曲がふんだんに使用されたシリアの作品『ラジオのリクエスト』の上映もございます。
各国で音楽がどのような影響力を持つのかに注目して、観比べてみるのも面白いのではないでしょうか。

神戸の5/4(金)が最終の上映となるイスラーム映画祭3。
この機会に、ぜひお見逃しなく!

(まりこ)

更新情報

2018.12.08
トピックス上映作品スケジュール前売り券情報更新しました

2018.12.04
イベントレポート更新しました

2018.11.30
トピックス上映作品スケジュール前売り券情報更新しました

本日の上映作品

Tweets