イベントレポート


2018.11.27
11/24(土)「ぼけますから、よろしくお願いします。」舞台挨拶&トークを開催!

認知症の母の姿を娘が撮る。話題のドキュメンタリー映画「ぼけますから、よろしくお願いします。」の公開を記念して舞台挨拶&トークを開催しました!
登壇されたのはテレビディレクター出身、本作の信友直子監督、そしてプロデューサーの大島新さん。

元々テレビの特集として制作されたこのドキュメンタリーですが、反響が反響を呼びついに映画化するという形になりました。その経緯については本作の前身となったフジテレビ「Mr.サンデー」、そしてBSフジでの特集を見た大島さんがテレビマンとしての先輩にあたる信友監督に「これは映画化した方がいい」と声をかけ劇場で公開されるこの映画に繋がった、とのこと。テレビで放送されるドキュメンタリーと、劇場でかかる映画の違いについてはトークの冒頭で信友監督から「テレビのディレクターだからこそ映画になるということは最初考えられなかった」
「テレビは見てくださる人の顔が見えないが、劇場だと顔が見える。見てくださる人の熱量を感じられる」とお話しされていました。

元々信友監督はプライベートビデオの延長のような感覚で2000年ごろからお父さんとお母さんの姿をカメラにおさめて来られたそうです。撮り続けてきたお母さんの様子に異変を感じたのは2012年、2013年ごろ。この時、信友監督の中で「娘として撮り続けていいものなのか」という葛藤を抱いたと仰られてました。「今までずっと撮ってきたのにカメラを向けなくなると、母はどう思うのだろうか」「今まで撮ってきたのだろうから撮ろう」。そうやって撮り続けたものが一番最初にMr.サンデーで放映された本作の前身にあたる特集となりました。「父も母も覚悟を持ってカメラの前に立ったことが、こうやっていろんな人に観てもらえて報われた」と信友監督は思ったそうです。

トークは中盤以降お客様からの質問や感想をお聞きしながら進んでいく形に。まず最初に手を挙げられた男性から「現在のお父さんとお母さんは?」という質問が。お母さんは現在脳梗塞で倒れ、リハビリ病院に。お父さんは病院まで毎日通ってるとのことでした。
「感想でも何か感じられたことでもなんでもいいので」と信友監督の言葉に、自身のご両親に対する介護の経験を涙ぐみながら話されるお客様もいらっしゃったり、見る人それぞれにとって本作が心に残る大事な作品になったのだと実感できる、暖かい雰囲気のトークイベントとなりました。

トークの途中で飛び出した「母が認知症にならないと気づけなかったことが、たくさんあった」という信友監督の言葉が深く印象的です。最後に現在もお父さんとお母さんの姿を撮り続けているとも。また信友監督の素敵な家族の姿をスクリーンやテレビで拝見できることを心待ちにしております!「ぼけますから、よろしくお願いします。」は12/7(金)までの上映!

(石田)


2018.11.27
甲南大学×元町映画館コラボイベント第5弾 トークイベント「とりあえず映画について話そう」開催!

11/20(火)、甲南大学とのコラボ企画第5弾としてトークイベント「とりあえず映画について話そう」を開催しました。当日はゲストに俳優の上野伸弥さんをお招きして、甲南大学の学生や一般のお客様を交えてタイトル通り、映画についてあれこれをお話ししました。

参加した学生はミュージカル映画好き、『ハリー・ポッター」シリーズ好きなど様々。まず初めに司会者からどういった理由で映画を観るのかと質問すると「TVのCMなどで観たら」「ある女優さんが好きで」といった意見などがありました。そして驚いたのが参加者はみんな結構映画を観ているということ。映画館では映画を観ないということだったのですが、レンタルショップなど結構利用するとのこと。映画人口が減ったなんだと言われていますが、実は映画人口って減っていない?

「映画館に行く人はどういう理由で映画を観るのか?」という問いにある参加者は「どの作品を観るか決めずに劇場へ足を運ぶ。その時に上映中の作品を観るようにしてます」という意見が。情報社会の世の中でその時の出会いを大切にする。新鮮な意見でしたがこういう人も増えて欲しいなと感じました。

ゲストの上野さんからは出演作の『さよならも出来ない』の予告編を上映しながら、出演した時のお話や現場での様子をお話しされました。また一方で「映画の仕事」について興味をもつ学生もいらっしゃいました。学生の方からの質問で「なぜ映画館に勤務されているのか」という問いにスタッフは映画館スタッフになった経緯を話した後「どうしても映画の仕事がしたくて」ということでした。

参加者の多くは今回のように映画について話をする会に初めて参加した方も多そうでした。
少しでもこの時間を通して映画を観る人が一人でも増えて、映画を観る目が変われば良いなと思います。また今後もコラボ企画は続いていきます。お楽しみに!!

(芋羊甘)


2018.11.20
緊急《2本立て》上映会&トークショー『SAVE HENOKO 劇場公開版』『宮古島からのSOS』開催!

11/11(日)、「沖縄」を軸に作品を撮り続ける藤本幸久監督と影山あさ子監督。そんなお二人の『SAVE HENOKO』、今年2018年の9月に完成させたばかりの『宮古島からのSOS』の緊急上映会を開催しました。

上映会に合わせて開催したトークイベントには本作の共同監督を務めた影山あさ子さんに加えて奥間政則さん(沖縄県大宜味村在住・1級土木施工管理技士)、清水早子さん(宮古島ピースアクション実行委員会)にお越しいただきました。

まずは清水さんから宮古島を取り囲む、軍の設備、そして集落の近くに設置された火薬庫など危険物の存在をお聞きしました。私自身、新聞やニュースなどに目を通すようにしておりますが、知らないことばかりでした。一番驚いたのは射撃訓練場ができるということ。単独の射撃場としては日本初の設備だそうです。日本を“守る”という名目で日本版の海兵隊とよばれる「水陸機動団」が設置され、米軍と軍事演習も行われるということです。このような現状に対して清水さんは「日本は配備計画が立てれれば、あとは作るだけ。“守る、日本のため”と言っても住民の安全など気にしていない」とおっしゃいました。

奥間さんは「沖縄ドローンプロジェクト」という団体で活躍されています。無人航空機“ドローン”を使用して、沖縄島周辺の埋め立ての様子を調査しています。宮古島や辺野古は特殊な地層“琉球石灰岩”でできており、それが工事により掘削されているそうです。しかしこの活動も東京オリンピックの法整備により、排除されるかもしれないというのです。「基地周辺でドローンを飛ばすことを禁止する法整備が国会で進んでいる。オリンピックを口実に防衛省にとって見られてはまずいものを排除する動きがすすんでいる」とおっしゃいました。

奥間さんは最後に「これは沖縄だけの問題だけじゃない。今までは沖縄に押し付けていた。真剣にみんなで考えてもらいたい」とおっしゃいました。一方で清水さんは「沖縄の基地からいつ戦争が始まるか、わからない。ぜひ関心を持ってもらいたい」とおっしゃいました。

当館では9月に行われた沖縄県知事選挙で歴史的圧勝となった玉城デニー氏の選挙戦に密着した『デニーが勝った!』の上映会を開催します。それを踏まえて影山監督は「記録しないと残らない。何をどう見るべきか、選択してほしい」という言葉で締めくくりました。

最後に奥間さんがトークの中でご紹介した「ライブ船舶マップ」のリンクを貼ります。これにより、沖縄周辺で動く船の様子もみることができます。奥間さんの言葉をお借りすると「これで何かを気づくキッカケにでもなれば」と私も思いました。

ライブ船舶マップ
緊急上映会『デニーが勝った!』『宮古島からのSOS』お申し込みについてはこちらから →

(芋羊甘)


2018.11.14
第4期「池谷薫ドキュメンタリー塾」の第五回目を開催しました!

映画監督・池谷薫さんから直接ドキュメンタリーについて学ぶ「池谷薫ドキュメンタリー塾」。後期五回目となりました11/8(木)のドキュメンタリー塾では、池谷さんの最新作である『ルンタ』を鑑賞いたしました。本編映像が2時間近くあるため講義自体は短めでしたが、撮影の背景や裏話について説明いただきました。

 『ルンタ』では、チベットの問題についてブログを通じて発信を続ける、中原一博さんの視点を中心に話が展開します。現在進行形のチベット問題を取り扱うということで様々な障害がありながらの撮影だったようです。撮影がバレると池谷さん達や中原さんはもちろん、撮影に協力しているチベット人の方々も数年の禁固になってしまうため、移動中や宿泊中は撮影データをできるだけ見つからない場所に隠し、最悪の時には飲み込むという覚悟までしていたそうです。途中一度公安に踏み込まれたという衝撃の体験談もありました!

 今回の授業ではこういった撮影の裏話と、チベット問題や中原一博さんについてなど背景的な話にとどまりましたが、次回11/15(木)では例のごとく動画クリップを使いながら、映画『ルンタ』としての技術的な面について徹底解説いただきます。重厚感ある音が印象的でしたが、その音について。また編集や描き方について。そして映画内に散りばめられた「メタファー」についてのお話をいただきますのでお楽しみに!

 最後に少し余談になりますが、作中に重要なキーワードとして登場する「焼身」。焼身を行う意味の一つとして、焼身をきっかけに現状を「知ってもらう」ということが挙げられるそうです。先週まで新開地のパルシネマさんで上映していた話題作『タクシー運転手』や現在当館にて上映中の『1987、ある闘いの真実』はどちらも「真実を知ってもらう」ための闘争を描いた秀作でした。これらの作品にピンと来た方、是非『ルンタ』も鑑賞していただければと思います!

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(酒見)


2018.11.07
11/3(土) 『1987、ある闘いの真実』スペシャルトーク開催しました!

公開2週目となるも連日大入りの『1987、ある闘いの真実』。公開を記念して、神戸大学大学院国際協力研究科の木村幹教授をお招きして、「韓国と民主化とその時代」と題したトークイベントを開催しました。

この作品は昨年(日本での公開は今年ですが)1987年の30年後を記念して制作されました。今回、鑑賞3回目だとおっしゃる木村先生。解説を任されたものの、この手の韓国の作品はなかなかに難しいとおっしゃいます。日本のドキュメンタリーだとわりとドキュメンタリーっぽく撮るが、韓国のドキュメンタリーはほぼほぼ事実ではあるものの、適宜に誇張や実在しない人物を出してくるので、どこからどこまでが本当の意味の真実で、どこからどこまでが創作なのかがなかなかわかりにくいのが理由だとおっしゃいます。
パルシネマで7日(水)まで上映されていた光州事件を基に制作された『タクシードライバー』や歴史映画・歴史ドラマにも共通して多く見られる手法だそうです。

情報量が多い本作。映画で描かれた時代に直近した歴史的出来事の流れやもっと長い時間の流れの中で起きた出来事のまとめ、実在の人物や事件の際に実際に用いられた写真などを多用し、パワーポイントでわかりやすく説明くださいました。
また映画の出演者と実在の人物の写真を見比べ笑いを誘う一幕も。

この作品の背景で重要なのは“世代”だと木村先生はおっしゃいます。映画では描かれてはいないものの、ハ・ジョンウ演じるチェ・ファンと牢獄で手紙を書くイ・ヒジュンが演じるユン・サンサムとソル・ギョング演じるキム・ジョンナムは、なんとソウル大学政治学科の同窓生だそうです。
1965年日韓基本条約が締結された前年の1964年に起きた大規模な学生運動6・3学生運動に参加していた世代の人たちに当るといいます。この世代で有名な人を挙げるならイ・ミョンパクとの名前に、会場からは“あ~”との声が。

『タクシードライバー』で描かれる光州事件は7年前の1980年。大量の死人が出たといいます。『1987、ある闘いの真実』で描かれる1987年にはそこまで多くの死人は出ていない、そこに時代の大きな変化を見ることができると木村先生はおっしゃいます。

最後の質問コーナーも盛況で、終始熱気あふれるトークイベントとなりました。

『1987、ある闘いの真実』は11/16(金)までの上映です。
来週からは香港で2014年に「真の普通選挙」を求めて起きた雨傘運動の79日間を記録したドキュメンタリー『乱世備忘 僕らの雨傘運動』も公開されます。
こちらも併せてお見逃しなく!

(まりこ)


2018.11.07
第4期「池谷薫ドキュメンタリー塾」の第四回目を開催しました!

映画監督・池谷薫さんから直接ドキュメンタリーについて学ぶ「池谷薫ドキュメンタリー塾」。後期四回目となりました11/1の授業は急遽内容を変更し、今年の夏ご逝去された作曲家で、前期で扱った映画『蟻の兵隊』で池谷さんとタッグを組んだ、「エディ」こと内池秀和さんを偲び、『蟻と兵隊』の音楽についてお話し頂きました。

 池谷さんの映画では大胆なシーンの省略をはじめ、極力説明をつけないようにしているため、どうしても「わかりにくい」という部分がでてくるそうで、そういう場面こそ音楽の力を借りるそうです。『蟻の兵隊』でいえば宮崎参謀の「慟哭シーン」。この場面からもう中国へ一気に行きたいが、あまりに大きな場面の転換なので音楽を挿入することでスムーズに転換できるようにしたそうです。このような音楽をつける作業は、編集段階で音を入れる間をつくり、編集後に音をのせていくそうで、監督・作曲家双方にとって大変緊張する作業だそうです。『蟻の兵隊』では、心音を想起させる音が要所で印象的に登場しますが、このような音効も内池さんの仕事で、こういった音効や音楽のために、監督としては映画全体のコンセプトとその場面の裏にある意味を詳しく伝えるそうです。なぜこの場面で音楽が要るのか、どういう意図でこのシーンがあるのかを説明し、あとは作曲家を信用するのみ。ここで面白いのが、音を入れて最初に聞いた時に少し違和感があるぐらいが良いそうです。編集中にある程度イメージがある分、それとぴったりハマる曲というのは裏を返せば面白くない曲だと池谷さんはおっしゃいます。内池さんはその要求通り「違和感」のある曲をあげてきてくれたそうで、内池さんの曲者ぶりとともに、撮影中も自分達の挙げていた想定と別のことが起きることこそがドキュメンタリーの面白さといつもおっしゃる池谷さんらしい面が垣間見えるお話しでした。

池谷さんは内池さんを「人間の深い悲しみとその先にある一筋の光のようなものを見ている人だった」と評されます。『蟻の兵隊』は大変重い話でありながら、見終わったあと爽やかな印象を受ける映画でもあります。その一因として、内池さんはエンディングテーマにとても温かいイメージの曲をもってこられました。内池さんが本当に主人公・奥村和一さんを好きになってくれたからこそこうなったのだろう、と池谷さんはおっしゃいます。内池さんは大変情感深い音を作るため、その分音が「強く」なり使える場面が限られてしまうという面があるそうですが、『蟻の兵隊』では曲者同士ががっぷり噛み合っていたようです。

 さて次回11/8はとうとう『ルンタ』を扱います!乞うご期待!

ドキュメンタリー塾の予約・詳細はこちら!→

(酒見)

更新情報

2018.12.08
トピックス上映作品スケジュール前売り券情報更新しました

2018.12.04
イベントレポート更新しました

2018.11.30
トピックス上映作品スケジュール前売り券情報更新しました

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