イベントレポート


2017.8.30
元町シネクラブvol.46を開催しました。

今回のお題映画はドキュメンタリー映画が中心でした。その中でも盛り上がった作品をご紹介。

『娘よ』
日本初公開のパキスタン映画。村の掟によって無理やり結婚させられる娘とそれを守る母親の逃避行を描いたドラマ。パキスタン映画を初めて見る参加者も多く、各々が違った感想を持ったようです。「最後の終わり方がよかった」「最初の川のシーンと終わりのあのシーンがループしているように見える。あの点を監督は意識して制作したのではないか」と言った映画を考察する方まで様々いらっしゃいました。

『人類遺産』
音楽もナレーションもない。世界70カ所の廃墟を映し出したドキュメンタリー映画。一切何も語らない廃墟は無言のはずなのに映像だけで私たちにそこで何があったか、どんな人がいたかを連想させます。 映画ファンだけでなく、廃墟マニア、美術館めぐりをする人も非常にハマった作品なのではないでしょうか。 シネクラブでも「あの廃墟はあそこでは?」、「とても静かな映画なのに、見る側を試してくる、想像することの面白さを教えてくれる」などなど好意的な意見が非常に多かったです。また本作を見ていない参加者も「見逃したのが悔しい。どこかで上映していないでしょうか…」と言った残念がる声も多かったです。

当館でも多くのドキュメンタリー映画を上映してきましたが「一度見ただけでな理解できない!」というお客様も数多くいらっしゃいます。それを見た方々で映画をほぐして理解する非常に良い試みではないでしょうか。そして同時に感じる自分の無知さ。映画をもっと観ようと思った時間でした。

次回は『ブレンダンとケルズの秘密』『獣道』『チリの闘い』の3作品。
どれか1作品でも見て、みなさんで映画についてお話ししませんか?

(芋羊甘)

  


2017.8.30
8/27(日)『ブレンダンとケルズの秘密』トークイベント開催!

アイルランドのアニメーション『ブレンダンとケルズの秘密』の公開を記念して、アイルランド文学がご専門の三宅伸枝先生に「映画に現れるケルト文化について」と題してお話し頂きました。

映画の舞台は紀元800年頃のアイルランド、神の本をめぐる少年ブレンダンの冒険です。
原題は「ケルズ(の書)の秘密」、ケルズの書というのはラテン語で書かれた福音書です。
暗闇を照らす光とも言われるこの本を完成させるためにブレンダンは自然や友達に会って苦難を乗り越えます。

まだ白紙のページを少年が書き継ぐこと、これは比喩でもあり文字通りでもあります。
ロールプレイングゲームで使われているアイデアや発想の根源の一つかなとも思います。

アニメで映えるのは、本が文字だけではなくてきらびやかで非常に細かい装飾文様から書かれ描かれていることです。
それらのケルト文様やケルズの書の解読などについて三宅先生は投影された絵を見ながら話されました。
ケルト(昔ギリシャ人が西の異民族を呼んだ呼称)の歴史や文様の象徴性とか色々お話しに出てきました。

三宅先生のお話を聞いていながら、先生が一番強調されたと個人的に思ったのは、「変身/変化のモチーフ」です。
映画の中でもこのモチーフは繰り返し用いられます。
昔アイルランドでドルイド(知恵という意味)と呼ばれる神官が霊魂の不滅と転生を教えたそうで、それが2000年前の昔からキリスト教を吸収しながらもアイルランド自体が変身変化を繰り返したのではないでしょうか。
三宅さんが配布された資料、アマーギンの歌とイェイツの詩に「私は~である」のリフレインがあり、~のところが色んな自然になっています。
これはその後ジョイスに集大成的に引き継がれ、現在の『ブレンダンとケルズの秘密』トム・ムーアに至るのではと思いました。

(高橋)

  


2017.8.30
『知事抹殺の真実』舞台挨拶を開催しました!

8/26(土)、収賄額0円、謎の疑惑をかけられ辞職に追い込まれた元福島県知事・佐藤栄佐久さんの一連の事件の真相を追った『知事抹殺の真実』。本作の上映を記念して佐藤栄佐久さん、安孫子亘監督の舞台挨拶を開催しました。

福島県郡山市から舞台挨拶のために神戸にお越しくださった佐藤さん、当日は多くのお客様がお二人をお出迎えしました。

安孫子亘監督は本作について「神戸でこれを上映できて嬉しい。そこらへんのホラー映画よりも怖い内容の作品になった。マスコミで報道されるニュースの中でも真実は本当に僅かなんだと知った」と語りました。

佐藤栄佐久さんは冒頭「もう抹殺されまして、お話できる立場ではないのですが」と語り、続いて福島県で起こった村の合併問題に触れ、「私は知事になる前の3年間、福島県の村を訪ねてそれぞれの地域の良さを知った。しかし、コミュニティが完成されているものを合併するのはどうか」とご自身の福島県の想いをおっしゃいました。最後に「こういう口うるさい知事が邪魔だったんでしょうね…」と淡々と事件が起こるまでの経緯を語りました。

事実は小説よりも奇なりと言いますが、たった一人の知事を失脚させるために大きな力が働いたと思うと恐ろしいです。

また本作を制作したことに関して「福島県民のために活動してきた。一つの信念で動いた結果がこの映画。基本的な民主主義を本作を通じて全国の皆さんに知ってもらいたい」と締めくくりました。

10年ぶりに壇上でお話をし、喉がカラカラになったという佐藤さん。僅か15分の舞台挨拶でしたが言葉の一つ一つに重みが感じられました。

監督も最後に「この映画を通じて『知らないことは知らない』と言える佐藤さんの“人間性”を知ってほしい。原発に近づくものは消えていく。映画を通じてそのことが何かおかしいと思ってほしい。みなさんでこの事件をさばいてほしい」と締めくくりました。

『知事抹殺の真実』は9/1(金)まで上映中。

(芋羊甘)

  


2017.8.30
『真白の恋』坂本欣弘監督トーク開催しました!

『真白の恋』初日の8/26(土)上映後、2Fロビーにて坂本欣弘監督のトークを開催しました。進行を務めてくださったのは、神戸からフランスのカルチャー情報を発信する「FRENCH BLOOM NET」主宰の武内馨さん。なぜフランスがご専門の方が『真白の恋』のトークに?と思われるかもしれませんが、実は武内さんは映画の舞台となった富山県射水市のご出身。富山市出身&在住の坂本監督と、地元民ならではの視点のお話も飛び出しました。

真白の家である自転車店で子どものころ自転車を買ってもらったことがあるという武内さん。なぜ富山で映画を撮ろうと思ったのか、という質問からトークは始まりました。

「射水市は“田舎”のイメージで特に気に留めたこともなかった」と坂本監督。東京で助監督として活動した後、地元に帰って立ち上げた映像制作会社の仕事で、映画にも登場する神社での結婚式に出向かれた時のこと。おじいちゃんがいて赤ちゃんもいて旧式のベンツに乗り合わせたヤンチャな青年たちもいたりして、街ぐるみでお祝いしている感じがしたのだそうです。夜はオレンジ色の灯りがとても美しく、ここで映画を撮りたいと思ったのが発端だと言います。

脚本の北川亜矢子さんには軽度の知的障がいを持つ弟さんがおり、そこから真白というキャラクターが生まれました。「弟は自分が障がい者であることをわかった上で受け止めている。私たちよりずっと強い」との北川さんの言葉に、真白が傷ついても力強く歩いて行く姿を撮りたいと思ったそうです。さらに、真白が成長するというより、家族含めその周りの人々が成長する姿を描きたかったと話されました。

一見障がい者とわからない真白。障がい者という面が前に出過ぎないように、でも障がい者であることは観客には伝わるように…このラインが難しかったと坂本監督。同様に、真白が景一に徐々に恋していく表現も難しかったと話します。脚本にない時間を真白や景一はどう過ごしているのか、どんな気持ちでいるのか、俳優さんたちとそんなやり取りも重ねながらひとつずつ積み上げていったそうです。

「泣いた」「号泣」という感想の多い『真白の恋』。かくいう私も涙が止まりませんでした。観る方の性別や年代によって泣ける場面は様々なんだそうです。あなたはどこで、誰の気持ちを思って涙を流すでしょうか。

坂本監督は次回作も準備中。富山県南砺市を舞台に、来年春クランクイン予定だそうです。こちらも楽しみです。

(mirai)

  


2017.8.23
『まんが島』AKI-RA sunriseさんミニライブ開催しました!

8/21(月)の夜、『まんが島』上映後に守屋文雄監督の舞台挨拶と、音楽を手がけたAKI-RA sunriseさんのミニライブを開催しました。

『まんが島』の音楽にAKI-RA sunriseさんはどうかと録音の弥栄裕樹さんに言われたことがきっかけでライブに足を運んだ守屋監督。その心地よさに一瞬で魅せられたと同時に、楽器を置く音さえ奏でる音楽と同じだととても驚いたのだそうです。「AKI-RAくんの身の回りの音はすべて音楽になる」。実際にお会いしたAKI-RAさんは、話される声も柔らかく沁み込んでくる水のようで、奏でられる音楽そのままの印象でした。

ライブはディジュリドゥ(オーストラリの先住民であるアボリジニの伝統的な民族楽器)でスタート。ステージを移動しつつ客席の右へ左へとパンしながら奏でていると、奏者はたった一人なのに立体的な響きになって音が脳の周りをぐるぐる回っているような迫力!

次に手にしたのはジャンベ(西アフリカの打楽器)。すごいスピードで細かくリズミカルに手を動かしているのに、その音は温かみにあふれています。打楽器なので音階があるわけではないはずなのに、思いのほか豊かな音色に驚かされます。

その次に半円形に湾曲した筒のような形のものを手に取ったAKI-RAさん。実はこれ、花瓶なのだそう!ライブ前、水を入れて軽く左右に振り「『まんが島』っぽい音」が出ると愉快そうに言っていましたが、さらに息を吹き込み不思議な音を奏でます。ここまででも十分聴いている私たちのアタマは日常から離脱しています。

最後に中華鍋を2つくっつけたような形のハングドラム(スチールパンから派生しスイスで生まれた楽器)の演奏が始まると、思いがけない美しい音色と身体の中心に響いてくるような心地よさに驚きました。

『まんが島』で使われているAKI-RAさんの楽曲は、なんと洞窟で録音されたもの。ハマる人続出のサントラCDも上映期間中特別価格で販売中です。

森林浴などのように、自然の中でエネルギーを回復したような気持ちになったAKI-RA sunriseさんのライブ。この日は元町映画館7歳の誕生日で、素敵なプレゼントをいただいたような幸せな時間でした。『まんが島』は8/25(金)までの上映。ぜひ体験してみてください!

(mirai)

  


2017.8.23
『まんが島』8/19(土)守屋文雄監督舞台挨拶!

漫画家以外は立ち入り禁止の孤島で一体何が起こったのか?!
この作品を鑑賞した人は感想を言葉にすることが難しいですねと話を振られた守屋監督曰く、「言葉で言える感想はあてにはならない」

映画の中で飛び交う言葉は脚本も書いた守屋監督の創作ですが、その監督ご自身が言葉はあてにはならないと言われたのが興味深いですね。

『まんが島』をめぐって飛び交う言葉、言葉、言葉、カメラが捉える顔、顔、顔がこの映画なのですが、それを何と言えばよいのか。
洞窟の向こうから聞こえる波の音や風の音、あるいは沈黙。
それらに耳を澄ましている時に思うあれやこれや。

それらが音楽のように消えては現れるので言葉が追っつかない不思議な感覚。
しかしこの感想も取って付けたようでまったくあてになりません。

とにかく皆さま、このワンダーワールドへ乗り込んでください!
ようこそ、『まんが島』へ!

(高橋)

  


2017.8.23
『ろくでなし』舞台挨拶を開催しました!

日本映画界で異彩を放つ2人の俳優、大西信満さんと渋川清彦さんが、都会の喧騒を生きる"ろくでなし"な男たちを演じた映画『ろくでなし』。公開を記念して、主演おふたりと奥田庸介監督の舞台挨拶を公開初日8/12(土)に開催しました。

奥田監督は、商業デビュー作『東京プレイボーイクラブ』から一貫してアンダーグラウンドでもがく男たちを描いています。舞台挨拶ではまず、こういった題材に対する監督の思いからお話を伺いました。これに奥田監督は「“命のほとばしり”を描くことに取り憑かれている」と回答。命を投げ出して生きる人間を好んでモチーフに選んでいるとのことでした。

そんなキャラクターを演じた大西さんと渋川さん。おふたりとも本作の役に非常にハマっていましたが、渋川さんがスムーズにキャスティングされた一方、大西さんの役・一真は難航したそうです。喧嘩が強い役ということで格闘家から探していたそうですがなかなか決まらず、筋肉よりも狂犬のイメージにシフトして、ようやく大西さんに決まったとのことでした。そんな一真の役作りについて大西さんは、現場で監督と話し合いながら人物を作っていった、と撮影当時についてお話し下さいました。

本作はアドリブも多く使用されています。舞台挨拶ではその具体的な箇所もご紹介下さいました。アドリブとは、役者の気まぐれではなく、作品をより良くするために重要なものです。脚本上では説得力に欠けると思われた部分を、役者のそれでカバーする。本作でもそういった部分が大いにあったと、奥田監督は感謝の気持ちと共に振り返っていらっしゃいました。

『ろくでなし』はピュアなラブストーリーの部分も作品の魅力です。実はそれに反して「汚れろ」というプロデューサーの意向が強かったそうなんですが、それでもピュアな部分が前面に出てしまうことついて、自分がピュアなのかなあと、奥田監督はお話し下さいました。その発言を受けて、大西さん、渋川さんは共に納得の表情でした。

渋川さんからは、素人なら誰もが気になる話、劇中で恋愛関係にあった相手に対し、恋愛的な感情が生まれるのか、という話について触れて下さいました。シナリオや好み(?)にもよりますが、やはり、動く時があるそうで、当然といえば当然の話だなあと私も思ったのですが、赤裸々な発言に会場は大いに沸きました。

『ろくでなし』は8/25(金)まで上映です。

(斉藤)


2017.8.15
『ウォーナーの謎のリスト』金髙謙二監督の舞台挨拶を開催しました!

第二次世界大戦中に、敵国である日本の文化財151ヵ所の保護リストを作成したアメリカ人美術家ラングドン・ウォーナー。このリストを中心に、知られざる歴史に迫るドキュメンタリー『ウォーナーの謎のリスト』8/13(日)上映後、金髙謙二監督の舞台挨拶を開催しました。

金髙監督は、「新藤兼人監督の助監督としての経験の中で〈ドキュメンタリーの難しさ〉を学んだ」と言います。広島での移動慰問公演をする中で原爆投下に遭遇した移動慰問劇団「桜隊」を描いた『さくら隊散る』で生存者2人にインタビューをしたところ、団長だった丸山定夫の臨終についての証言がそれぞれ真逆のことを言っていたのだそうです。

最終的に新藤監督はどちらの証言も映画に取り入れ、観客に判断を委ねる形で映画を完成されました。「『ウォーナーの謎のリスト』でも、意図して相反する様々な証言を使っているので、観た方に実のところはどうなのかと考える時間を持ってほしい」と金髙監督。“事実”はたったひとつでも、それは必ず多面性を持っていて、見る角度が変われば見え方も感じ方も変わる。だからこそ自分の主張を訴えるような映画は作りたくないのだそうです。

また、本作公開について受けたインタビューで「ウォーナーは“ヒーロー”ですか?」と聞かれることが多々あったそうですが、「戦争なんていうものに、“ヒーロー”は存在しない」と力強く断言されていたのがとても印象的でした。

「神戸は私の出発点」と話す金髙監督、海員学校を出て社会人としてのスタートは神戸から始まったのだそうです。いつか神戸を舞台に、映画にまつわる作品を作りたいと話されていました。楽しみに待っています!

『ウォーナーの謎のリスト』は8/18(金)までの上映です。上映期間中は、本作制作のきっかけになったという前作『疎開した40万冊の図書』のDVDとパンフレット、書籍を特別販売しています。こちらは戦禍から蔵書を守ろうとした人たちについて描かれた作品です。ぜひ合わせてご覧ください。

(mirai)

  

更新情報

2017.9.20
イベントレポート更新しました

2017.9.16
上映作品スケジュール前売り券更新しました

2017.9.12
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2017.9.9
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2017.8.26
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