イベントレポート


2017.6.21
シネクラブvol.44開催しました!


6/11(日)元町映画館で上映されている映画についてお話しするシネクラブ。今回は『人生タクシー』や『百日告別』など様々な国の映画を紹介、意見を共有しました。

『人生タクシー』
イランのジャファル・パナヒ監督最新作。世界の3大映画祭を制覇した名将であり本作ではなんとイランのテヘランを走るタクシーの運転手を演じています。タクシーに乗り込んでくるテヘランの住人も様々。金魚鉢を抱えた高齢者、映画を撮りたい学生など年齢性別を超えて様々な人がやってきます。
これは劇なのかそれともドキュメンタリーなのか。私たちの感性を鋭く突いてきます。参加者にもこれがフェイクなのかそうでないのかととう声がありました。昨年ヒットしたドキュメンタリー映画『FAKE』などこのような作りの映画が増えてきているような気がします。
それぞれの乗客が演者なのかそれとも素人なのかという疑問も多かったです。様々な疑問を生み、好奇心をそそられる本作。当館での上映は終了してしまいましたが未見の方は機会があれば是非ご覧を。

『百日告別』
愛する人を失った男女。哀しみを埋めるためにそれぞれが思い出の地や人をめぐり、死と向かいあう本作。ご覧になった方は少なかったですが時間があれば見たかったという意見が多かったです。
アジア映画も積極的に上映している当館ですが今回のような喪失感を埋めるようなお話はありそうでないような。多くの女性のお客様がご覧になった 後、涙をこぼしていらっしゃいました。参加者の一人は「この作品は近い人が亡くなった経験のある人なら共感できる点が多くあるのではないか」という意見が ありました。

次回は「パレスチナ映画週間」『台北ストーリー』など。映画好き、いや映画をこれから見始めようとしている人、集まれ~。

(芋羊甘)   

 

2017.6.17
「池谷薫ドキュメンタリー塾 #5」開催しました!


「池谷薫ドキュメンタリー塾」5回目の講義を6/15(木)に開催しました。今回の鑑賞作品は『ちづる』。池谷薫さんの立教大学での教え子である赤﨑正和さんが撮った作品です。この作品は卒業制作として撮られましたが、なんと劇場公開も果たしました。

『ちづる』は赤﨑さんの自閉症の妹・千鶴さんを撮った作品です。赤﨑さんは長年、差別的な空気から妹が自閉症であることを隠してきました。そんな赤﨑さんが妹にカメラを向けたのには、「言葉では説明できない妹の魅力を伝えたい」という思いがありました。

作品を観れば誰もがこの赤﨑さんの思いを「成功」であると判断するに違いありません。しかし、撮影を始めた当初はそう簡単にはいきませんでした。 まず第一に千鶴さんが赤﨑さんが向けるカメラに映ってくれなかったのです。当時、大学に通うために別居していた兄に対し、千鶴さんは緊張の態度を示しまし た。なので映画の序盤は撮影を母親の久美さんが代行しています。映像は撮影者と被写体の「関係」を如実に表します。

つまるところ、対象に迫るということは「自分とは何か」という問いを突きつけられるということです。人にカメラを向けることで、その人との関係、 ひいては自分自身と向き合わずにはいられなくなる。もちろんこれは『ちづる』の映像にもよく現れていて、ひょっとすると、この映画は千鶴さん以上に赤﨑さ んを描いていた、と言っても差し支えがない程かもしれません。

次回の「池谷薫ドキュメンタリー塾」は6/29(木)に開催します 。池谷さんが監督を務めたNHKスペシャルの「人間は何を食べてきたか 海と川の狩人たち 灼熱の海にクジラを追う」を鑑賞し、その後レクチャーを行います。まだ若干名の空きがありますので、ご希望の方はお早めにご予約頂ければと思います。

(斉藤)   

 

2017.6.8
『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』黒川幸則監督×山下真菜美(映画チア部)トーク開催しました!


6/7(水)『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』上映後、黒川幸則監督と映画チア部の山下真菜美さんのトークを開催しました。

"映画チア部"とは、関西で映画の宣伝をしてミニシアターの魅力を伝えるべく活動している学生限定チームです。今回は『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』に惚れ込んだメンバーの山下さんが関西公開のきっかけを作ったこともあり、黒川監督とのトークが実現しました。

特集上映「台湾映画傑作選」を観に行った新宿のK'sCinemaで、『ヴィレッジ〜』の予告編を観て一目惚れしたという山下さん。黒 川監督はエドワード・ヤン監督の『ヤンヤン 夏の想い出』を久しぶりに観て『ヴィレッジ〜』とそっくりと感じたそうです。「夏、とある場所に人が集まってきて、どこか死の匂いが漂っていて、それでい て笑える部分もある」。それに加え、「水辺とか濃い緑とか、ロケーション的にも通じるものがある」と山下さんからも共通点が挙げられました。

本作は多摩市で撮影されました。「開発はされたが途中で取り残された場所も多く、街を映しても人が映らず、気配だけが色濃く残る感じ。そういう場所に幽霊って現れるんじゃないかと思った」とロケ地への思いを話してくれました。

山下さんからは、転がる空き缶の意図や、ヨーロッパビスタという珍しい画角について、窓や鏡を印象的に使った撮影についてなど鋭い質問が投げかけられ、「そこに気づくんだ?!」と黒川監督も驚いていました。

本作の脚本を手がけたのはバンド「core of bells」のヴォーカリスト山形育弘さん。初めて書いた脚本は詩か歌詞のようで、ト書きがなく映像にするにあたり自由度が高過ぎて迷うところが多かったそうです。台詞がいちいち面白いと監督が言う通り、思い出すと口に出したくなる名台詞がたくさん!

最後に黒川監督は、関西上映が実現したことで各地の劇場に足を運びお客さんと交流して、それぞれの土地で映画仲間を見つけた気持ちだと話してくれました。なんて嬉しい言葉!また帰ってきてくれることを心待ちにしています。

『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』は6/9(金)まで上映中。どうぞお観逃しなく!

(mirai)  


2017.6.5
6/3(土)『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』初日舞台挨拶&ミニライブを開催しました。


舞台挨拶にご登壇頂いたのは、黒川幸則監督、主演の「のっぽのグーニー」こと田中淳一郎さん、佐伯美波さん、そして、スケジュールが調整できたとのことで、急遽駆け付けて下さった鈴木卓爾さん。ポスターデザインの小川梨乃さん。そしてライブゲストとして音楽家の江崎將史さん。

ステージに敷物を敷いたりして、何やらいつもと違う雰囲気です。そして、何と皆さんが、ステージの縁に座っての舞台挨拶がはじまりました。監督が腰が悪いとの事らしいです。
普通の舞台挨拶のようにお話をするだけではなく、監督が話している最中にも、江崎さんは何やら後の方で、鍋状のモノを叩いたり、アルミホイル状のモノをガサガサしております。いわゆるインプロビゼーションという感じでしょうか。さらに急に佐伯さんが歌い出したり、田中さんが、ギターをひいたりと、監督と鈴木さんが普通にお話されている、バックミュージックのような効果になっております。ちょっと、花見に来た他所の宴会を眺めているような、不思議な舞台挨拶です。

実は、映画の方も不思議な映画で、ミュージシャンやアーティストなど、各界の奇才たちが集まって作った自主映画らしいです。特に音の使い方が、他の映画とは違う使われ方をしています。アート系な映画です。黒川監督は、今回初めて同時録音の編集などをして、とても楽しかった。鈴木さんからの「これからはノイズだよ」というアドバイスによって、好きにして良いんだと思った。と、何か開眼したようです。

撮影は多摩や、東小金井などで撮影されたそうで、東小金井のロケ地は、宮崎駿さんのアトリエが近く、宮崎さんが通りがかりに見物していたそうです。

本作はミュージシャンの方が多く出演されています。主演の田中淳一郎さんもミュージシャンで、映画主演は初だそうです。誰かのアドバイスのように、1ヶ月前から、走り込んだとの事。セリフを憶えるより走る方が大事だと思っていたそうです。で、当然のごとく、他の方にダメ出しをされたとの事。

最後に、杉本拓さんが、本作を見て作られた曲を鈴木さんと佐伯さんが歌って、田中さんがギターをひいて、江崎さんがそれに即興で加わって…。と最後まで、みっちり1時間、宴会をみているような不思議な舞台挨拶でした。

『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』水曜日には黒川監督と映画チア部の山下真奈美さんとのトークがありますので、ぜひ不思議体験をして下さい。

(おもしろ)  


2017.6.5
『八重子のハミング』舞台挨拶開催しました。


『八重子のハミング』上映初日6/3(土)、公開を記念して、主演の升毅さん、小森正樹役の辻伊吹さん、佐々部清監督の舞台挨拶を開催しました。

関西ご出身の升毅さん、辻さんにとってもこの舞台挨拶は心待ちにしていたそうです。八重子のツービートwith Tが壇上に上がると大きな拍手が起こりました。

多くの映画やドラマに出演されている升さん。本作は役者人生42年目にして初の映画初主演。苦労も多かったそうで「実在の人物を演じるのも初の経 験。どう演じようか考えたがどれも嘘くさくなる。不安の中での撮影だったがでも13日間の撮影期間の中では不思議とすっと楽に演じることができた。こんな 経験は最初で最期になるんじゃないか」とおっしゃいました。

28年ぶりに映画に出演した八重子役の高橋洋子さんについて監督は「記憶を失っていく役柄だったのですが、どこかに可愛いらしさをずっと持っていて欲しい」とお願いしたそうです。

辻伊吹さんは『種をまく旅人 夢のつぎ木』に続いての佐々部組。撮影をふりかえり「リハーサルはダメ出しをくらったが升さんを含めベテランの方々と実際に現場に入ることでOKをもらえた。僕のような若手が交わる現場でも良い雰囲気で撮影できるのは佐々部組の良いところです。僕もようやく佐々部組の一員になれたのかなと」とおっしゃいました。

本作は監督自らが原作に惚れ込み、資金集めをはじめとしたプロデュースも行っています。「老夫婦が主役なんか誰も見ないよ」という批判的な声があがることもあったそう。しかし実際は東京も含めて大ヒット。監督も「口コミはまだまだあるんだな」、升さまも「"ざまぁみろ"と言ってやりたい」と語り、共感した観客からは拍手が起こりました。本作が愛されている証拠ではないでしょうか。

最後に升さまから「みなさんで我々の背中を押して欲しい。ありがとうございました」という感謝の言葉で締めくくりました。

舞台挨拶後のサイン会でも多くのお客様とお話しされていた皆さん。作り手の想いがたくさん詰まった本作。ぜひ大切な人を想いながらご覧下さい。

『八重子のハミング』は6/16(金)まで上映。

(芋羊甘)  


2017.6.5
「池谷薫ドキュメンタリー塾 #4」開催しました!


「池谷薫ドキュメンタリー塾」4回目の講義を6/1(木)に開催しました。今回は第3回目の講義で鑑賞した映画『蟻の兵隊』についてお話しいただ きました。『蟻の兵隊』は、池谷薫さんにとって2本目の長編映画です。池谷さんはこの映画を"狂ったように撮った"と言います。一体どういうことなので しょうか。

本作の主人公・奥村和一さんのことを池谷さんは戦友と表現します。映画で奥村さんは「中国山西省日本軍残留問題」をめぐって国と(そして自分自身 の記憶と)戦っていますが、池谷さんはそのビジョンを共有しているからだと思います。池谷さんは"共犯関係"という言い方もよくされますが、その言葉が持 つイメージの通り、池谷さんたちは傍観者ではなく、介在する者として現場に立っていたことがお話しを聞いているとよく分かります。
ちなみに今回の作品で池谷さんは度々カメラに見切れますが、それは被写体である奥村さんとの距離の近さを物語っています。

撮影を進める中で、奥村さんは記憶を都合の良いように編集してしまっていることに池谷さんは気がつきます。裸の奥村さんが撮れなくなることに危機 感を持った池谷さんは、もう一度記憶と向き合うよう関与していきます。それは奥村さんを精神的にも肉体的にも追い詰めていく行為とも言えます。それがエス カレートした中国の旅ではスタッフ間で取っ組み合いの喧嘩に発展したそうです。カメラの後ろ側でもドラマは展開されていて、その強烈な思い出が"狂ったよ うに撮った"という言葉に集約されているということです。

今回、面白かったのは演出面への言及です。撮影・編集の仕方や、音楽の使い方、メタファーについて、感情の煽り方等、惜しげもなくご紹介下さいま した。どれをとってもフィクション映画に置き換えて考えられるお話だったので、ドキュメンタリーはフィクションである、とは池谷さんがこのドキュメンタ リー塾の中で繰り返し仰っていることですが、今回の講義で本当の意味で理解できたという感触がありました。

この回の講義で「池谷薫ドキュメンタリー塾」は一つの山場を迎えた印象です。これからの講義では池谷さんの教え子の作品である『ちづる』を鑑賞 し、次は番外編としてNHKスペシャルの『人間は何を食べてきたか』。そして最後はデビュー作にして数々の賞を受賞した映画『延安の娘』と進みます。残念 ながら番外編意外はキャンセル待ちの状態ですが、実は秋から冬にかけて同じカリキュラムでこのドキュメンタリー塾をまた実施する予定です。こちらの情報解 禁は気長にお待ちいただけたらと思います。

(斉藤)   

 

更新情報


 2017.6.23

 スケジュール、上映作品更新しました


 2017.6.21

 トピックス、イベントレポート更新しました


 2014.11.1

 ウェブサイトをリニューアルしました。

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